恋愛感情に反応して全身にハート型の発疹が出来る恋愛アレルギーにかかっていた幼なじみが、長年の治療の末完治に至ったことで動き出す恋のお話。
好きという感情が全身にハート型の発疹となる恋の病。好きが全身に現れてしまうという発想はとても面白く、可愛い症状だと思います。そして、その治療薬により恋心が抑制されてしまうことで、恋愛に悩むことが恋のきっかけになっていくという展開は上手いです。ただ、全編を通して、その恋の病のデメリットやその病気の治療の必要性を感じることがあまり出来ず、病気として扱うには中途半端な気がしました。若者の流行り的な軽いタッチで描かれても良かったかなと思います。
二人の主治医である先生のスピンオフでは、ハート型の発疹を恋愛のアピールに使ったり、逆にそれが原因で相手の気持ちが見えてしまい失恋するというトラウマになってしまったりと、こちらの方が使い方が明確で分かりやすかったです。この症状で恋愛に振り回される人たちの苦悩が伝わってきて、胸が痛くなりました。好きが目に見えるというのは上手くいってる時は可愛いですが、迷いが生じた時にとても難しいなと考えさせられました。
そしてどうしても気になったのは、最初の方で嵐がフラレたシーン。彼女のビンタの手の跡の向きがおかしかったこと。作画で気になることはあまりないのですが、これだけはちょっと引っかかりました。丁寧に作画される作者様なので、気が付いて欲しかったなと残念な気持ちになりました。