藤間さんらしい作品で、相変わらずキャラが美形で楽しく読めます。
主人公は幼い頃、引き離された双子の弟が皇宮内で殺された過去を持ち、その犯人に復讐することだけを考えて生きてきました。
それだけでなく、亜人という人種差別が当たり前に蔓延る世の中で、身体を売らされそうになったところを死にものぐるいで逃げ出し、性別を偽り強い男として第4皇子に仕える立場として皇宮に入り込むところから物語が始まります。
双子の弟の死の謎や、第4皇子との関係など気になる要素満載で自分好みの連載が始まったなー、と思いましたが、正直期待とは少しズレていました。
いや、好きは好きなんですけど。
特に主人公について。
天燿さま(第4皇子)の従臣太博にあっさり女バレしていて、その事に気付いていなかったり、案外警戒心薄いよなーと思ったりとか。
これまで辛い境遇の中生きてきて、賢くて人一倍警戒心が強いのかと思いきや、天燿さまを信頼して良いって思った途端に自分では止めようもないほど無自覚で甘えまくっている姿に、可愛いと思いつつ読んでいて少しガッカリしてしまっている自分がいました。
復讐のために性別偽ってまで敵地に潜り込んでいる自覚をもう少し持って欲しい。
藍月(主人公)はもう少し、甘えたりできない性格の方が良かったな。
そしてそんな藍月でも甘えざるを得なくなるくらい上手い立ち回りをしてくれる皇子だったなら、個人的にはかなり萌えれたのですが。
天燿さまも思ってたのと違うというか、最初からあまりにもいい人すぎるんですよね。
皇宮で兄弟と水面下で争っているという設定のわりには、性格に毒が無さすぎて肩透かしくらったような気分に。
もう少し何考えてるか分からないミステリアスさがあった方が良かったです。
「殺した犯人は自分じゃない」も早々に明かされすぎで、折角の勘違い設定が活かされてないなーと。
もう少し、犯人を天燿だと思っている藍月の苦悩とかが描かれた方が面白かったと思います。
真っ直ぐなキラキラ皇子さまな天燿と、そんな彼に感化されて天燿を純粋に慕う愛らしい従者の図になっていて、イマイチ復讐を目的とした殺伐とした話だったことがピンとこなくなり、忘れかけてしまいます(笑)
まぁこれからの展開の中でキャラ達の新たな一面を見せてまだまだ楽しませてくれることを期待しています。
ところでお面付けてた意味は全く無いよね。