作者さんの既刊「被写界深度」が良かったのでこちらの作品もずっと気になっていたところ、2巻発売を機に1巻と纏めて購入しました。1巻・2巻ともに表題作のみで、描き下ろし込みで各196ページ。小学校時代からの幼馴染・志井と環のお話です。志井は子供の頃から1歳年上の幼馴染・環に片思いしているのですが、環はその家庭環境から性的なことに拒否反応があります。そんな二人が期間限定で付き合うことになって…という展開。もう環の家庭環境が劣悪過ぎる!環の母親が生理的に受け付けられないんですが、そこまで読者が嫌悪できるキャラが描けるというのも作者さんの手腕なんでしょうね。ともかく、環の母親との不健全な関係に、志井が気付いてくれて良かった。一方で志井の「片思い」というのも、執着と髪一重というか全く健全なものでもないような気が…。志井の性のはけ口だったタクミさんとの関係も、一見すると軽いセ/フレ関係なんですが、始まりは志井がまだ中学生だったこととか、環への歪んだ願望だとか、ちょっと一筋縄ではいかないんですよね。被写界深度の時も思ったんですが、余白があるというか読者が考える余地があるというか、そんなストーリー展開です。2巻まででは二人は一応付き合ってはいるものの気持ちの大きさは同等ではないので、次巻以降早く環が志井の気持ちに追い付いて、願わくばもう少し甘い二人が見てみたい!2巻が発売されたばかりですが、次巻の発売がとても楽しみです。