この作家さんの作品は初めてですが、何と表現すればいいのでしょう。独特な世界観というのか、不思議な感覚です。絵柄が気に入っての購入です。
和装の人形に初恋となった伊勢少年。その人形を失って、ずっと執着して探し続けるいびつな愛情。そんな中、人形そっくりな佐久と知り合い……人間に興味のない伊勢が、佐久に対する感情が生まれ、嫉妬さえ覚え始めますが、それは大好きな人形に似てるから?それとも佐久だから?なかなか難しい感覚で、伊勢自身もわからないんじゃないかな…
佐久はゲイで、気軽に遊べるタイプのよう。伊勢の人形探しがきっかけで、出会った人形作家のモデルを引き受けながら、身体の関係も?もう、この作家さんのキャラがつかみにくいんですよね。どこまで、ほんとで、どこまでうわべか…
全ては『人形』が繋ぐ縁。伊勢と佐久を引き合わせたのも、伊勢のおじいさんの奥さんに似てるのも、老い先短いおじいさんの家に足を向かわせたのも…みんな人形。なんか不思議な世界のような気がします。伊勢も佐久も初めて会って、惹かれるものがあったのでしょう。伊勢にしたら初めての恋。理想に出会えて、理想の相手と結ばれて幸せ者ですね。
最初から最後まで、何か違った世界にもいたような気分です。今までにない感覚です。