水城せとな先生の漫画は、20年以上振りに読みました。ただのボーイズラブ漫画とは絶対に言えません。
この物語に登場する人達の心理描写には、ただのラブラブボーイズラブでは感じられない切ない、苦しい、でも愛しい感情がしっかりと生きていました。
とても読み応えがあります。
現在30歳となる私ですが、20年前には「きっと30くらいには恋して結婚して、子供くらいいるでしょ」と思ってました。
しかし、色んな環境、感情が渦巻く現在、私自身もセクシャルマイノリティの概念とやらに振り回され、結婚出来ずにいます。
大人になったからこそ、人と較べる事を覚えて怖がったり、様々な事を利己的に捉えたり、未来を案じたり、誰かを思って自分を押し殺したり。
生きる中で『人を好きになるということ』『愛されること』が分からなくなる主人公に、いつの間にか自分を重ね、読み進める自分がいました。
この歳になって感じる恋の苦しさや切なさの中から、彼と一緒に何かを感じ取れたら嬉しいです。
とても素敵な作品に出会いました。