これはBLというより人間ドラマです。
葉芝作品の中でも、これは特に記憶に残りました。気軽に読み返せない重いストーリーですが、たまに無性に手に取りたくなります。
「彼はオランウータンになりたかったという」という始まり、突拍子もない展開かと思いきや実はちゃんと理由があります。その願いを知ると、宗駕は聡明ゆえにその結論に辿り着いたんだなぁと胸が締め付けられました。
普段は口数も少なく真面目だけれど、キレると手がつけられなくなる生徒・宗駕と臨時教師・池内のお話。ラスト、宗駕がオランウータンになれなくてよかったと言わしめるまでのストーリーはいつ読んでも胸にくるものがあります。エチやキスはありませんが暴力はあります。甘さ0のシリアスなお話、154p。