黄昏アウトフォーカスは、傷ついたゲイと映像部のノンケのカメラマンが寮で同室で、映画製作にゲイの子も携わっていく中で、男同士でも恋に落ちるシチュエーションが揃っており、違和感なく読めました。基本2人が主役で映画のような展開がとても良かったです。
そしてスピンオフのこちらは、どちらもノンケで学年が違う監督2人。監督という立場で思い悩むことも多く、映画部の菊地原班がとても良いアクセントになっており、映画部の群像劇のほうがしっくりとくる内容だなと思いました。(菊地原班が目立って出番があるわけではないのですが、個性的で印象に残ります)
ナルシストだけど繊細で気弱で、だけど仲間意識が強くて人を守ることができる菊地原が、天才肌の映画バカの市川を抱くことがいまいちしっくりきませんでした。
方向性が違っても映画が好きで、そして2人だけがわかりあえる心の揺れや優しさは、エチなしの心の繋がり、つまりは無二の親友が一番しっくりくると思いました。
そして幼少期の市川をみる限り、映画にかける情熱の凄さと天才肌っぽさが見えたので、BLの映画を作った内容が委員長とヤンキーの恋に落ちるだけのシンプルすぎさに違和感を覚えました。
BLを撮るにしても、市川なら恋愛だけではないメッセージ性のある内容のほうがしっくりきたなと思いました。
残像スローモーション、悪くはないんですけど市川のイメージと内容とがしっくりときませんでした。