ネタバレ・感想ありかみさまの虫籠【分冊版】のレビュー

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我々は虫籠の中で生きている
2024年2月17日
いじめている当事者の人ごとのような言動にゾッとした。

いじめは犯罪であり許されるものではないのは大前提として、罪を犯した人を関係のない我々がSNSなどで追い詰める行為も、いじめではないのか。
短いながらも「弱い者は自分よりも弱い者の命を握って安心する」という言葉にハッとさせられて、重く心に響く。
何故かBLのくくりになっているが、笑平先生が信念を持って描かれた作品だと感じた。
短編だけどくる
2022年12月19日
作者様買い。あらすじ読んで、メンタルやられるかなと積読しておりましたが、勇気を出して読みました。やっぱりメンタルにきましたが、読んで良かったと思える作品でした。
どこにでもある話なんだよ、だから怖い
2022年6月5日
作家さん2作目。これ、BLなのかな。
いじめの境界線って白黒付けられるもんじゃなくて、イジメやるやつ=悪じゃない。どこにでもいるやつ。ムカつくあいつかも知れないし、仲良しのあの子かもしれないし、私かもしれない。
いじめられる側も同じ。だから怖い。だから悲しい。
でも、いじめる側の「そんなつもりはなかった」これだけは絶対に嘘だと思ってる。
僕らはみんな虫籠の中
2022年5月19日
自分がどう感じたか言葉に表すのがとても難しい作品です。登場人物どちらの立場も言い分も理解できる。だから僕としては肯定も否定もできない、すごく難しいトピックだなと。色々なテーマが詰まったとても考えさせられる素晴らしい短編作品です
何回読んでも…
ネタバレ
2022年3月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ いじめをする人、しない人の根底にあるもの。
いじめをする人って、本当に弱い人ばっかりだなっと思う。喧嘩は出来ないくせに。
『自分より弱そうな命を握ると安心する』
根底はそこだと私も思います。
それを治せる人っているのかな?
普通に見えていても、それを持ってる人は沢山いる。
又、全ての人が、持っているものなのかもしれないが。わかりません。
生きていく環境で、それが増える人と無くなっていく人に分かれるのかな。
いや多分生まれもった性質とも思う。
『自分もそう思っていた』…本当かな?
(キツい言い方ですが…)
脱線しましたが、
彼の犯した罪は、どんな状況であれ許される事ではない。これから彼はどんな人生を生きていくのか…。
人はどこで間違えてしまうのか。
本当に弱くて、惨めなのは加害者と言うことが、
はっきりと描かれていると感じました。

ただ、ラストページ、主人公の表情はどこか悔しく、苛立ちや切なさ、複雑な感情が表現されていて、何故か自分もモヤっとなってしまう。

でもやっぱり罪は罪。
背負って生きていくしかない。
切ない、やるせない
ネタバレ
2021年7月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 自分が何を感じ取っのか、言葉が見つけられず何度も繰り返し読みました。主人公の男の子は妹が養護学校に通っている。周りの助けを借りて生きて行く妹の立場を知っている。他人が傷付けるなんて容易な存在。猫のキーホルダーの様にただのおふざけで安易に傷付けられる。自分がイジメられても、そんな自分よりも守りたいと思える大切な存在が居る。妹のことをからかわれるのは、自分の事を言われるより辛くて悔しいと思う。だから、自分がされたことを他の誰かにとはとても思えないと思う。でも、そんな存在もなく、理不尽にイジメに合ったらどうだろう…。人は孤独や弱い立場に置かれると、本能的に自分を守ろうとしてしまう。だから自分より弱い人間を見つけてそこに自分の安心を作ろうとしてしまったりして…。彼らの様な10代のまだ繭から出てきて羽も乾ききらない年頃ならどれだけ傷が深かっただろう…。私は2人の男の子の両方とも自分を重ねてしまいました。この2人が出会えた事、それによって主人公の彼が世の中の核心に近い事に気付けた事に安堵し、そして引っ越してしまった彼の心の傷が癒え、自分の罪を償い切る日が来てほしいと願ってしまいました。彼のしたことは許されないとしても、私は彼を糾弾できませんでした。
とても良かった
ネタバレ
2021年3月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 同級生からイジり、もといいじめを受けている少年(体操服から松本くん?)と、同級生を自○に追い込み"加害者"となった少年(名前不明?)のお話です。

「同じ人間とは思えんわ」
冒頭1コマ目で自分をイジる()同級生たちにそう嘆いた松本くん。そんな彼がいじめの主犯であった少年と出会い、少しの日々をともにする。そしてその少年は町を出ていく…。
短くてはっきりとした結末がない短編だからこそ、彼らのこの一瞬の出会いがとても大切に思えました。

加害者と言われる少年は、昔はいじめられる側だったような描写や、自○してしまった子とも元々は…?と、加害者側の想像が出来る描写が多々あり、苦しくなりました。「死んでまうかと…」とあと一歩だった松本くんの様子を見る彼のコマが特に印象的です。

いじめをする側もされる側も「普通の子」だと知った松本くんの最後の顔は逞しくて、それがこの2人の出会いが生んだことだと思うと、希望が持てる終わり方でした。彼らの一つひとつのやり取りが、お互いの助けになっていたらいいなと思いました。
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作家名: 笑平
ジャンル: BLマンガ
出版社: プランタン出版
雑誌: Canna