丸ごと表題作。上下巻ともに書き下ろしあり。8年越しで完結した長編、しかも途中で闘病、休載を挟んでいたとのことで、前半と後半では絵の違いがハッキリわかります。ストーリーは父親のカバン制作会社を引き継いだ吉野が売上低迷の打開策としてイタリアの有名ファッションブランド会社に営業に行き、社長のカルロと出会い、無理矢理秘書にされ……というものですが、作者も書いているとおり王道のハーレクインBL版という感じ。本気の恋を知らず女遊びを繰り返していたカルロがウブで真面目な吉野に夢中になるのは見ていてワクワクしたし、キスシーンもエッチも色気があって良かったです。ただ、後半の展開が駆け足だったのと、やはり絵の違いが気になってあまり集中できませんでした。休載が長かったので仕方ないとは思いますが、前半の絵がとても色っぽくて素敵だっただけに残念!