ネタバレ・感想あり日出処の天子(完全版)のレビュー

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BLを愛する人にも読んでほしい
2025年4月28日
「時空を超えた答え合わせ」これは私が好きな文才オタクyoutuberさんが放った言葉なのですが、私にとってこの作品がまさにそれ。以下自分語りの長いレビューになるのをお許しください。

この作品を初めて読んだのが10歳くらいの時。仲の良い漫画友達の家に遊びにいくたびに、その子の家の本棚に黄ばんだままずっと並べてあったこの本が気になって読ませてもらったのが最初です。ジャンプやりぼんを読む普通の漫画好きだったのですが、この作品の桁違いの画の美しさとストーリーに衝撃をうけてそれから何度も読み、高校生くらいで自力で全巻揃えたのを親に処分され、それをもう一度買いなおすくらいにはまりました。当時はすごい少女漫画という認識でした。

で、先日ビアズリーという画家の美術展を見に行った時にふと「ひょっとして私のBL好きの原点は『日出処の天子』だったのか」とすっと腑に落ちまして。(巷では山岸先生はビアズリーの影響を受けていると言われているのを思い出したので)
今読んでいる数々のBLの中でも特に心に残るものには、この作品のエキスが入っていることが多いのです。まさに時空を超えて答え合わせをしたような気分でした。いわゆるBLを読みだしたのはもっと後なのですが、子供の頃に刻み込んだ記憶やコアな癖はそうそう消えないんだなと脳の不思議を感じます。

とんでもない画力で歴史上誰もが知る人物を同性愛者として表現し、超人であるけれど誰よりも深い人間の業を背負わせています。よく禁書にならなかったなと思うくらい。これ以上の結末は不可能だと思わせるほどのそこに至るまでのストーリーの深さと重み。今読んでも全く色褪せないどころか、自分が色んな経験を積んだことでさらに解像度が上がり、正直今の方が読むの辛いのですが・・・
謎の自分語りレビュー申し訳なかったですが、かなり昔に出版された作品ですしBLジャンルでは上がってこない名作なので、BL好きの方にも伝わるといいなと思いレビューしました。興味持たれた方はぜひ!
美しい
ネタバレ
2025年4月3日
このレビューはネタバレを含みます▼ 掲載時、リアルタイムで読んでいましたが、蘇我毛人、厩戸皇子とのBL要素、厩戸皇子のサイキックパワーなど、目が離せませんでした。厩戸皇子の孤独が通奏低音の様にずっと響いている傑作です。
星5つでも足りない
ネタバレ
2025年3月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「最高傑作」「不朽の名作」という言葉さえこの作品の前では霞んでしまう。自分にとってそんな作品。
初出は1980年LaLa。当時編集から聖徳太子を主人公にするなんてと大反対されたそう。
才能も容姿も血筋もすべてを兼ね備えた厩戸王子が異能の力で朝廷でのし上がっていく。周りから畏れられ母からも拒絶された厩戸がただひとり心を許したのが蘇我氏の嫡男毛人。最後は毛人と離れたところでこの作品は終わる。
当時の読者は布都姫を嫌い毛人を罵り、どうすれば王子が幸せになれるか真剣に考えたのでした。
電子書籍になり未読の方たちにもぜひ手に取ってもらいたいです。
『歴史ファンタジー』の原点にして頂点
ネタバレ
2025年3月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ シーモアのマイベストマンガに即決で選択。が、その後「この作品と同列に評価できる作品が近年発行された作品にはない」と思い知り、1〜2作品は自分の『殿堂入り作品』枠とし、残り枠を毎月変更ししてゆく、と自分の選択基準に折り合いをつけました。それほどこの作品は私にとって神作、別格総本山です。初読時は学生時代、読み難い漢字、耳慣れない人名、、難しいったらありゃしない!でも何度も読み返し、掲載されていた少女漫画月刊誌はボロボロになりました。主人公の『厩戸王子』は当時『聖徳太子』として一般に認知されており(肖像画が採用されていたので)『一万円札(の人)』の隠語としても知られていました。エッ!聖徳太子が主人公?実在したの?それで超能力者?(当時は異能者とは言いませんでした)、、なんかわかんないけど続きが気になって仕方ない、わかるまで読み返してしまう、、。そんな具合で、この物語の魔力は膨大でした。
 無限になるほど読み返し、年月を経て、最近人生の節目を超えて思い至ったのですが、この物語の主題の1つは人間の【業(ゴウ)】ではないかと。人間である限り逃れられない負の感情•煩悩それらがこの物語を動かす原動力になっているような気がします。この物語は日本の飛鳥時代直前の史実が基盤になっています。歴史は【業】のなせる技なのかもしれません。
 怖くても結末がわかっているのに、読み返す度に言葉では説明し難い酩酊感に襲われます。繊細で長い描線で描かれた日本画•仏画のような作画が物語の雰囲気に合致し、唯一無二の世界観を形成しています。
 当時は、まだ少女の娯楽道具の一種とみなされていた少女漫画を世代を超える文芸作品へとその価値観を一変させたこと、漫画に史実を綿密に取り込み『歴史ファンタジー』の先駆けとなり、漫画の学術的価値さえ認知されたこと等、、、この作品が与えた影響は漫画界だけにとどまらず多岐にわたり現在も続いています。(現在、シーモアではこの作品を青年マンガに分類してますが、掲載は少女漫画月刊誌でした。当時の少女漫画雑誌の先駆的編集姿勢はもはや伝説です。)
 実写•舞台•アニメ化は山岸涼子氏の画風が創り出した世界観の再現は不可能とされ、立案されていませんが、能楽では今年(2025年)公開予定です。(個人的には朗読劇を希望していましたが。)時代を超えて守られるべき日本文化史に遺る最高傑作の1つです。
許されぬ想いに身を焦がされて
2024年10月14日
飛鳥時代前夜、父に連れられて朝廷に出仕した14歳の蘇我毛人は、10歳の少年、厩戸皇子と出会う。それが毛人と厩戸皇子をめぐる禁断の愛憎劇の始まりだった。
この作品が発表された当時は、二人の全く意表をつく関係性に色々と喧しかったものです。
名作!
ネタバレ
2024年9月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 数十年を経ても、まったく色褪せない永遠の名作です!!!
聖徳太子が美少年で超常能力者と、歴史ものにSF要素を盛り込むだけでなく、BLなどなど、連載当時の衝撃をアリアリと思い出しました。
またカラー画の美しさにも溜息が出ます!
不滅の名作!
ネタバレ
2024年8月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 子供の頃、このマンガを読んで衝撃を受けました!
その後もこの作品が忘れられず、高校では選択科目に迷わず日本史を選んだくらい(笑)。
チートゆえに苦悩する厩戸を見るのが辛かった。毛人には最後まで厩戸の側にいて欲しかったです。
ところでジャンルが「青年マンガ」「ヒューマンドラマ」って思いっきり違和感あるんですけど。「少女マンガ」「歴史」じゃないの??
皇子に幸せになってほしい…。
ネタバレ
2024年8月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ いつまでも読後の興奮がおさまらないような、不朽の名作です。超能力と人智を超える才と美貌を兼ね備えた厩戸皇子が、その異能故に母に疎まれ、孤独に苛まれる生を生きる中、ただ1人自分と世界を分かち合える蘇我毛人に恋焦がれてしまいます。私たちと何一つ変わらない未熟で不器用な人間としての姿を見て、もうこの孤独な魂をどうか救ってあげてほしいと胸が苦しくなるばかり。しかし毛人は若いうちこそ神秘的な厩戸皇子に魅了されるものの、大人になると普通に女性に恋に堕ちてしまい、皇子から心が離れてしまいます。毛人は決して悪いことをしているわけではないけれど、人には見えないものを1人見続けなくてはならず、家族の中でも孤立させられている皇子に気がつくことができるのはあなただけなのに…と、悔しくてたまりませんでした。皇子の恋は確かに毛人の幸せより自分の幸せを優先する自己愛的なものだったかもしれないけれど、それでも救ってあげてほしかった。ラストは辛く苦しく、歴史もの故にハッピーエンドは無理とわかっていても、どこかに皇子が毛人と幸せになる世界があればいいのに…となんとも言えない気持ちで読み終えました。一気読み推奨、素晴らしい体験を!
全ての漫画の中の最高傑作
2024年8月12日
今も色褪せない、少女マンガで一括りにする事は出来ない素晴らしい作品です。
本当に最高傑作!全てのジャンルでの最高傑作です!
これ以上の作品にはいまだに出会えてないです。
内容は聖徳太子と蘇我馬子の息子の毛人を取り巻くお話。
実は厩戸皇子は凄い力を持った超能力者という物語。
当時ハマりまくって図書館で飛鳥時代や聖徳太子を調べまくりました。
史実や伝説とされてるエピソードが沢山盛り込まれてますので、もちろんフィクションですが、史実なのかも?と思わせる凄い作品です。

余談ですが、花とゆめコミックスも豪華本も文庫本も待ってました。
花とゆめコミックスを手放すんじゃなかった。最終巻が凄く薄かったのが衝撃でした。当時、この作品を知らない人も本屋でザワついてました。あんな規格外の薄さの単行本を出せるのは、当時から大御所だった山岸凉子先生だから出来たのでは?と思ってます。他のマンガを入れずに出版されたので普通のマンガの本の三分の一くらいの薄さでした。
最高傑作
2024年7月23日
これほど再読した書物はないというほど、何回も読みました。今回電子書籍になっていることを知り、購入しました。素晴らしい作品です。もっともっと多くの人にこの作品のことを知って欲しい。
久しぶりに読みました
2024年5月14日
35年前、クラスで回し読みして夢中になっていました。
久しぶりに読んで、やっぱり良い❗️
私がBL好きになったきっかけの作品かもしれません。
ブロマンスの金字塔
2024年4月17日
美しい厩戸皇子に蘇我入鹿が振り回される話です。底の知れない恐ろしさもあります。
入鹿の妹もなんだか怪しい動きをしますし。
ものすごく引き込まれますが、かなりエネルギーを使います。
読まれる際は気をつけて。
麗しいです!
2024年4月12日
ここで読めるなんて!
私が学生の時に読んだのですら、文庫版?愛蔵版?で購入したのですが、その時と変わらず胸がアツく切なくなります。
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中性的な聖徳太子が美しく悲しい
2024年4月1日
万札のおじさんのイメージとは違う聖徳太子です。超能力を持つ天才かつ美少年。その能力ゆえに母親から恐れられ、愛情を受けれず、孤独な生い立ち。唯一心を開いた毛人には恋愛感情を抱き、苦しみます。色々フィクションがありますが、歴史の勉強になります。登場人物も覚えれるし、戦や流れがわかります。
教科書の聖徳太子像とはかけ離れています
ネタバレ
2024年1月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 天才的な頭脳と超能力(?)を持つ厩戸皇子が皇族と豪族たちの争いをかわし、朝廷の政治権力を手に入れる様は、飛鳥時代を教科書に載っていた文章だけの存在ではなく身近に感じさせてくれます。
孤高の存在である皇子に対し、人として寄り添っていく蝦夷がとても素敵です。その惟一の存在に対し、母から得られなかった愛を求める厩戸皇子の姿がとても切ないです。
私の古代史の印象を一変させた一冊です。
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史実では、賛否両論巻き起こす謎多き人物
2023年12月5日
厩戸の前で生まれたから厩戸皇子、なんで厩戸?
様々な歴史研究家が探求して止まないこのお方
日出処の天子、天女のような美しい皇子なのは激しく同意したいです。
現代に残る肖像は、本人とは似ても似つかぬ後世の時代に描かれたもので、ご本人とも怪しいと物議が出ています。
ちなみに、飛鳥時代は、既に男色がありました。
皇の中で近親婚(異母兄妹婚)は、厩戸皇子の両親、と他3代です。敏達天皇も異母兄妹結婚です。結婚と言う概念であったかはさておき、
史実では、王であったとされるが抹消されたと説もあります。歴史に改ざんありき。事実、息子家族皆殺しにされています。
天上人は、見目麗しい方が多いそうです。
それを踏まえてどうぞ!!
美しさゆえ、優秀さゆえ、嫉妬や恨みを受け物騒な世に理を説いた人。現代は、途絶えた血脈の物語をどうぞ。
飛鳥時代の歴史を堪能くださいませ。
聖徳太子
2023年11月22日
池田理代子さんの聖徳太子も有名ですが、こちらもお楽しみください。
歴史好き、または聖徳太子好きには分かりやすいかも
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超絶、オススメです!
2023年11月16日
学生時代に、リアルタイムで読んでいました。
大人になって、再度、コミックを購入して、再読しましたけど、山岸先生の絵は古くささを感じさせず、読みやすいです。
ストーリーは、聖徳太子(厩戸皇子)の話です。
基本、史実に基づいていますが、厩戸皇子がゲイで超能力者という、斬新なストーリーです。
同時に、心の闇等も描かれていて、大人になってよんでも、読み応えがあり、定期的に再読したくなる名作です!
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山岸先生の傑作です
2023年10月26日
母が持っていて中学生くらいの時に読みましたが、衝撃で忘れられない作品でした。今電子版で再読できて本当に有難いです。山岸先生が漫画家になってくださってこんな素晴らしい作品を読めることに感謝です。最終巻に載っている続編の馬屋古女王は昔読んだ記憶がないので今回初めて知ったのですが、この物語を締めくくるに相応しく、厩戸の子たちを中心とする様々な人の関係が上手く描き出されています。最終巻には山岸先生のインタビューも載っていて、こちらも一読の価値ありです。
聖徳太子推しに
2023年10月22日
このマンガを読んで聖徳太子が好きになり関係箇所を幾つも回りました。
王子と蝦夷の結ばれない恋、王子の怖いほどの色気、王子の妃の菩岐々美郎女とのお話は怪しいけど愛おしさも感じる。
重厚感のある素晴らしい作品。
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これは報われない愛の話😩
ネタバレ
2023年10月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ 王子は天才だが、マザコンでロリコンで男色家。
仕方がない。母親に愛されなかったものはどこか歪むもの。
しかし最後は、やはり母親をどこかで求め、よく似たた頭の足りない娘を妃にした。
可哀相な物語だと思うが・・。
あれで良かったと今では思います。
どこか現実では、理想通りの結末などありえないんですよね。
人間であるかぎり・・。
秀逸な物語です。
ぞくぞくする
ネタバレ
2023年9月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 大好きなお話です。残念なことに最初の単行本は廃盤で入手できず、文庫・完全版を紙本でも購入しました。ですがしまいこんでしまいましたので持っているのに電子版を購入しました。
今でいうBL要素が含まれているようですが、愛、情を描いたお話だと思っています。母から得られることのなかった愛・情を探して、求め続けた厩戸の──特殊な力となって現れ、行き場のない思いが増幅していくようでした。結局は母からも毛人からも得られず、無心の美郎女に求めたのでは、と。ストーリー展開の中には鳥肌もたち、背筋が凍るようなぞくっとすることもあり、神がかりを感じるような作品です。伝承でわずかにしか残っていない厩戸や毛人の歴史がダイナミックに描かれています。
教科書から消えゆくとも漫画で永遠に残る
2023年9月19日
、と良いなと思います。逸話でも、作中でも傑出した人物として描かれていて浸透している通称を削除するなんて、野暮の極み。神も仏も無い時代に突入するのでしょうか。
ありがとうございます!!
ネタバレ
2023年9月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 山岸凉子氏は電子書籍反対派だと聞いており。
当時のコミックスは温存しておりました!!
しかしながら、スペース問題やらなかなかに難しく。
それでも、宝物です。
わかります、見開きとか、紙本ならでは、の
効果があるのです、すごくわかります。
それでも、時代の流れと申しましょうか。
スマホの中に持ち歩ける利便さよ。
中学3年、受験勉強合間に、厩戸王子をボールペンで描いたものです。
毛人の心を捉えた美貌は、少女の心も掴みました。
別れる亀裂のシーンは、泣いたー!!
母への思慕と叶わぬ片恋、無機質な心を転がす日常。
力故の哀しみ。
電子書籍化、ありがとうございます!!
青春の奇跡です!!
山岸涼子の傑作
ネタバレ
2023年8月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 聖徳太子が超能力者で同性愛者。とんでもない設定ですが、魅せてくれます。主人公の魅力がこのストーリーの良さの大きな部分を占めていると思います。最後は少し悲しい。
神の如き王子が歩む光輝く闇黒の虚無
2023年7月15日
読み手の感性に訴える力を持って評価するならこの作品こそ私にとって至高の傑作です
電子化でカラー表紙絵を堪能しました。やはり綺麗‥
読み終わって表紙の王子を見たら泣けてきた
ネタバレ
2023年5月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 日本画や仏画を思わせるような繊細で美しいカラーイラストに見惚れてしまいました。本編を読み進めるなかで、画面を通して伝わってくるものは王子の孤独や苦悩・悲しみ。実の母親に自分の持つ不思議な力を怖れられ、与えられるべき愛情を与えられず心に傷を抱えて育ってきた王子が、毛人との恋に敗れたことでさらに深く傷ついてしまった姿があまりにも痛々しくて…毛人が憎い。毛人は悪くないんですけれども毛人が悪いような気がしてくる不思議。王子は愛を得られなかった代わりに(?)強大な権力を手にしますが、自分の子供たちは生を全うしないことを知っていた…諸行無常ということでしょうか?「無駄なこととわかっていて、それでもわたしは生きてゆく」という王子の言葉が深い。自分の思う結末ではありませんでしたが、心を揺さぶられるお話でした。“王子と毛人が訣別することとなった「夜刀の池」での毛人の言葉が、男性(同性)同士が結ばれることを神はお許しにならない、と読み取れてしまうことが少し残念でした。違っていましたら申し訳ありません。”
心に残る名作
2023年4月29日
80年代に発表された作品とは思えない斬新な物語です。厩戸皇子の美しさと妖しさ、知的で行動力のある力強さと残酷さ、壊れそうなくらい繊細な画とは反対に発する重い言葉はとても魅力的。そして、一番欲しいモノが手に入らないもどかしさ。
最後の結末はショッキングでした。このキャラクターの登場は現代の漫画ではありえないのでは?史実では一緒に弔っているので愛されていた事は間違いないでしょう。
欲を言えばサブストーリーで、調子麻呂と淡水の関係を朝鮮半島を舞台に描いてほしかったです。
とにかく素晴らしい漫画です!
今もその表紙を見ると感覚無くなる神作品
ネタバレ
2023年3月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 完全版の7巻には厩戸皇子の死後、皇子の末娘の物語「馬屋古女王」があります。(記憶違いだと申し訳ないですが、あの当時の白泉社版には無かったかと。)

この作品を知ったのは小学生の頃ですが、表紙の厩戸皇子の一本一本描かれた髪の毛…それがさらさらと飛鳥時代の天女の様な美しい衣服を着けた腰の細い皇子に私は一目惚れ。ある巻の表紙の皇子は、衣服がちょっと乱れてたりして…なのに男らしい、そして美しい。中学になり歴史の教科書でその後の皇子と一族の行末を知って、呆然。毛人のバカ、蘇我氏のバカ!と。

高校生になると奈良線に乗って1人、斑鳩寺(法隆寺)に行きました。土曜日の学校終わり、少し陽が傾いた時刻。誰も居ない斑鳩寺は静かで、時間が無くなった様な空間に1人向かったのは夢殿でした。ある時、いつもは閉まっているはずの夢殿が開いていて、誰も居ません。特別公開?と思い、魅き込まれて中に。八角の均等のとれた空間。天井、白壁、木の美しさ。そこに、厩戸皇子を模したとされる救世観音菩薩を見上げました。その尊さ、表情。ムの一言。そして飛鳥時代の仏像ならではの曲線美。指の美しさ。離れ難く、でも畏怖も感じて。何故毛人と皇子があの様な結末だったのか、菩薩様を見上げながらやっと分かった様に感じました。皇子…毛人。あの夢殿の中だけで生きていけたら、どんなに楽だっただろうかと。

7巻…その後の物語。厩戸皇子を超えた末娘の物語。もちろんというか、彼女達一族が生きる事は、運命なのか業なのか…時代なのか…許されません。見上げる空。この作品に出会えて本当に良かった。そして私は生駒山連峰を思います。霊山、今も修験道として神聖な山々。そこもまた意味深い。
山岸凉子先生のこぼれ話は、萩尾望都先生の著書「一度きりの大泉の話」でも出てきます。先生が萩尾望都先生にしたアドバイス、人の想いの強さ、怖さを知っている先生ならではだなと。でもそれを含めて人(業の深さ)なのですね、皇子。そんな人の生きる姿は、だから美しいのかなと。
青年マンガ?
2023年2月24日
青年マンガにカテゴリーされていてびっくり。ですので少女マンガでこどものころに読みましたしBLのカテゴリーかと思います。名作。
好き
2023年1月23日
随分と前に夢中になった作品です。改めて読んでも厩戸やその他の人物の心理描写が上手いです。しかも日本史の勉強になります笑
いいね
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両想いながらも苦しい気持ちになる作品
2023年1月4日
この作品で聖徳太子や飛鳥時代、斑鳩に興味を持った方も多いと思いますが、そうなるくらいとても魅力が詰まった作品。史実とはかけ離れてるので割り切って読むことが大事。厩戸の不器用な想いに切なくも応援したくなり、逆に毛人!とモヤッとしたり泣けてきたり……色んな気持ちにさせられる作品ですが、ほんとにほんとにおすすめしたい作品です。かなり前の作品ですが、今読んでも満足できると思います。
日出処の天子を読んで
2023年1月3日
今から約40年前の漫画ですが、絵の完成度は群を抜いて高いと思います。私見ですが、これほどの美しさのある漫画を昨今は見ることができません。山岸凉子先生の画力の全盛期頃だと思います。内容も厩戸王子、後の聖徳太子には不可思議な超能力があったとされていて、絵の妖しさと呼応するように読み応えがありました。毛人や刀自古また歴代の天皇など歴史上の人物も登場するので、日本史を再確認するにはもってこいの作品だと思います。
色褪せない名作
2022年12月18日
描かれてから約40年経っていると思えない、今読んでも新鮮な驚きに満ちた作品です。日本史に興味をもつキッカケどころか新たなる歴ヲタを輩出してしまいそうな名作です。
間違いなく名作
2022年11月19日
LaLaで連載していたんですよね。少女漫画にしては難解でしたが、皆が読んでいました。実際の厩戸皇子がどんな人だったなかはわかりまそんが、やっぱり天才は孤独なんだろうなと思います。ラストに涙しました。
不思議な世界
2022年11月13日
初版は数十年前ですが、まったく古さを感じさせません。不思議な世界にどんどん引き込まれていきます。おすすめです!
最高傑作すぎる。
2022年11月5日
歴史物で実在する人物をどうしてこんな華麗にこんな解釈で絵描けるのが、山岸涼子先生凄すぎです。
日本画のような絵一枚一枚が芸術的すぎますし、
厩戸皇子が苦しみながらも可憐で美しく、また人間の泥沼な感情も表現されていて本当に素晴らしい作品だと思います。😄
面白いです
ネタバレ
2022年11月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ この時代にそこまで興味が無くてもぐいぐい引き込まれる面白さです。
どいつもこいつも…って感じにはなりますがw
厩戸の布都姫に対する嫌がらせが小姑っぽくて笑えますw
日の出
2022年10月27日
高校の日本史の先生が授業中に薦めていて読んだ。
薦めて良かったんですか先生!?

後日譚の『馬屋古~』で日没という流れがパーフェクト。
新解釈!
2022年10月15日
かつて教科書でみた、髭をたくわえたおじさんではなく、中性的な美少年の皇子が主人公という衝撃。非凡ゆえにつきまとう孤独が、読んでいて哀しかった…衝撃的で重厚感のある作品です。
みんな厩戸皇子に夢中
2022年10月7日
当時この作品がクラスの一部で流行って皆で回し読みしてラストまでハラハラドキドキしながら読んでおりました
最終回は悲しくて号泣したな
それでも何度も読み返した忘れられない名作です
漫画史に残る最高傑作!BLファンも読んで!
2022年8月23日
もうどのくらい前でしょう。紙本を今だ大事に保管してます。私の年代でもリアルタイムでなくもう少し上の世代の作品ですが、他の方のレビューにあるように良い物は時を経ても良い。レビューなんて私の拙い言葉では書けません。
私のレビューなんかより他の方の素晴らしいレビュー読んで買ってください!後悔することはないです!布教したい!
カテゴリーが青年漫画だけどそもそも少女漫画誌掲載だったし昨今ならBLカテゴリーで良いのでは?
カテゴリー変えたらもっともっと知らない世代の沢山の人に読んでもらえると思うのになぁ!
喪失感が…
ネタバレ
2022年5月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ 壮大な作品でした!7巻あっという間に読み終えてしまい、厩戸王子の喪失感を共感し過ぎて辛いほどでした。毛人のアホが~!と、何度叫んだことか!
でも、最終的には毛人の言う通り、王子の想いは究極の自己愛だったのかな、とも思えてまた王子が不憫で…ラストに描かれた壮絶な一族の最後、読み終えてからの余韻がすごいです。
良い作品ほど頭に残り引き摺るもので、また1週間くらい頭の中でグルグルと反芻しそうです!
カラー画が壁画のように芸術的!
ネタバレ
2022年5月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 名作の一言に尽きます。これ以上の言葉が思い浮かびません。全7巻を余すところなく堪能させて頂きました。迫力満点でした。史実に基づきながら創作された物語が好きなので、どストライクでした。

7巻巻末に作者である山岸凉子先生のロングインタビューが掲載されており、そちらも楽しく拝読しました。(集中し張りつめた制作現場で、あるはずのないものの気配を感じた等)
歴史の大胆な解釈、BL要素、超能力といった内容は連載当時には相当センセーショナルだったことでしょう。それでも描きたいという先生の熱意の賜物ですね。厩戸王子と蘇我毛人との関係も実際そうであったかもしれないと思えるほどドラマチックでした。作中の厩戸王子の怪しく官能的な美しさは、これまで抱いてきた聖徳太子のイメージを良い意味で打ち壊されました(笑)。厩戸王子の「見ましたね」のアルカイックスマイルにゾクッ。

物語に鞍作鳥を絡ませる発想力と手腕もお見事。朝廷と蘇我氏の血縁相関図も本作品をもし昔読んでいたとしたら、物語に耽りながら自然と覚えることができたでしょうに。

「斑鳩」という漢字も「これで"いかるが"と読むのか」とその気品漂う響きにうっとりしながら覚えた記憶があります。また斑鳩の地を訪れ法隆寺を参拝し、いにしえの風を感じたいと思いました。
これぞ神
2022年4月2日
その昔、友人に勧められ、ページを開いた時のあの衝撃。なかよし、りぼん、マーガレットから花とゆめへと到達した私に、突如やって来たあの衝撃。一気に引きずり込まれ、雷が落ち、私の中の小さな世界にあった壁に新しい穴ぶち開けられた気分でした。内容については語りません。私なんぞのちんけな頭では表現できません。是非、この世界に入ってみてください
感激です❗
2022年3月28日
シーモアで読めるようになったのは去年なんですかね。とっても大好きな作品です🖤他の方と同じで前に検索した時は無かったので、オススメで出てきたからびっくりして声を上げてしまいました。厩戸王子の美しさや孤独、毛人の誠実な人柄は心を惹き付けられました。高校の時、国語の先生(中年男性)がこの漫画の話しをされて驚いた思い出もあります。オススメです😊
良い物は時代関係なく良い
2022年2月13日
初めて山岸先生の作品を読んだのは中学生の頃で、当時はまだ萌やらBLなんて言葉も無く、精々「耽美」という言葉くらいでしたでしょうか。ともかく産まれて初めてこのジャンルに触れたきっかけとなった作品です。自分にとっては今でも「とっておきの作品」の1つとなっています。20年以上たった今、拝見しても全く違和感のない唯一無二の線の美しさ。指先まで流れるように物語る優雅さ。自信を持ってお勧めします!絵だけではなく、内容も物語の構成も全てが素晴らしいの一言です。懐古厨と言われようとも、この作品は別格。騙されたと思って若い方も見てほしいですね!
美しい!
2022年2月11日
何十年かぶりに読みました。変わらず、絵が美しくストーリーに引き込まれました。毛人と厩戸皇子がどうなっていくのか、思い出しながら続きも読みたいです。
嬉しい
2022年1月9日
前にシーモアさんで検索した時は無かったので、最近になって読めるようになったのですね。嬉しいです。山岸先生の名作ですので、興味のある方には全力でお勧めします。私自身は紙コミックで全巻持っており10代の頃に何度も読みました。今でも内容は全部思い出せます。歴史を把握する参考にもなりますが、厩戸王子と毛人の関係がたまらなく好きです。厩戸王子が本当に綺麗で、今でもそれ以上に美しいと思える登場人物はなかなか浮かびません。思い出すだけで魅了される私の漫画好きの原点とも言える作品です。
まさか電子でこの作品が!
2022年1月9日
厩戸さまをよめるなんてっ!
飛鳥時代、ならびに聖徳太子を描いたお話の中で至高と思います。
まず、空気。
仏画や曼荼羅の中の精密さや業が漫画であらわされるなんて…。
少女漫画の枠におさまりきらない、素晴らしい名作です。
何度もよんでも最高です!
2021年12月29日
一度読めば再度読みたい作品はそうないのですが、ストーリーを知っていても繰り返し読んでしまいます。この作品を読んで日本史に興味持ちました。
極上のサスペンス
2021年11月14日
すっごく読み応えがありました。一気に最後まで読んじゃった。あまりにも病んでる主人公、これ今で言うメンヘラなんですけどあまりにも極まっていてその上皇子です。その彼につきまとわれる彼も実はかなりメンヘラなんですけど、二人で闇の世界に置いて行く感じがなんとも恐ろしい。政治の物語もあいまって、人をだましたり騙されたり、陰謀うずまいたり。人の醜い感情満載の中で、ふと見せる純粋な部分がとても美しく見えて泣けてしまいました。これはアンハッピーエンドと言えるかもですが、全体を通して極上のサスペンスに仕上がってると思いました。
えー!
2021年10月4日
シーモアで読めるなんて感動!
紙で全巻、馬屋古も持ってます。本当に大好きな作品で、もう何十回も読み返し、この時代の歴史も詳しくなりました。私のなかで聖徳太子と言われて思いえがくのは、山岸先生の厩戸王子です。
むかしの作品ですが名作です。たくさんの人に読んで頂きたいです!
5.0☆
2021年10月4日
昔から、何度読んだのかってくらい読んでます...超名作!紙媒体で単行本とか文庫本やら全部読みましたが、やはり「完全版」が最高です。
今風に言うと、王子と毛人の関係は魂で通じ合える「運命」な感じですかね。二人の性的な関係は突き詰めると曖昧。だがそこがいい。何といっても、圧倒的な画力が魅力的。昔からずっと一番好きな作品でした。繊細な絵が素晴らしい。画から細やかな心情が伝わってくる。王子の何とも言えない表情、天賦の才ゆえの苦悩、器用で完璧に見えても実は不器用な部分が見える。恋情の切なさ苦しさが伝わってくる、実写では絶対に無理な神秘的で中性的な美しさが最高です。ラストは何とも言えない...あまり史実に沿っている作品ではないですが、歴史ものなので仕方ないかなって思います。それでも評価は5.0☆です。
山岸凉子先生の最高傑作
2021年10月4日
山岸凉子先生の作品の中で一番好きな作品です。完全版ではなく山岸凉子全集ですが紙で全部、馬屋古女王も持っています。数年前の原画展にも行きました。私が初めて読んだのは高校生の頃でだいぶ昔ですが、それでも完結後だいぶ経っていたと思うし、過去のインタビュー記事など読むと掲載時は相当センセーショナルだったと。小学生の頃から聖徳太子が歴史上の人物で一番好きで、この漫画を読んでからはこの厩戸王子が本当の厩戸王子でこれが本当の歴史だったんじゃないかと思ってしまうくらい、史実に忠実でありながらそれを超えるドラマチックな設定と展開に心も頭も鷲掴みにされました。お陰で厩戸や蘇我氏の家系図今でも覚えてます。何よりも心惹かれるのは最後の方の厩戸の一言なんですが、それが自分にも当てはまるのでここまで心酔したのかもしれません。死んだら棺桶に入れてもらいたい本です。
誰でも読める!!
2023年2月22日
青年マンガと書いてはありましたが、とても楽しめました!!今の私たちからではこのような時代は想像できませんが、想像できないからこそ、な面白さがありますよね。
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作家名: 山岸凉子
出版社: KADOKAWA