波真田かもめ先生の作品は試し読みするだけで購入には至らないことが多くて、この作品は試し読みすらしていませんでした。2月のパワープッシュ作品だったので何気なく試し読みしたら止まらなかった!吾妻と久慈の年齢を通ってきた身としては、たとえ自分とは全然違う背景の二人でも妙な親近感というか共感があって、めちゃくちゃ心に染みました。
最初は久慈が何を考えてるかわからなくて、吾妻も久慈よりは分かりやすいけれど掴み所がなくて、全体的に良く分からないまま、とりあえずページをめくって淡々と読んでいました。でも、二人の人となりが徐々にはっきりしてくると、驚いたことに、セリフもモノローグも表情も無いようなカットなのに、視線一つで気持ちが伝わってくるんです。そこからはもう、一気読み!視線や顔の角度、間の取り方とかで、沢山のことを表現できる素晴らしい作家さんだなぁと思いました。BLではありますが、家族との関わりや人生とどう向き合うかに重点を置いているので、性癖に刺さらなくても読み応えのある作品でした。