『ブルーピリオド』の山口先生の短編集です。
やはりストーリーが極上です。表題作+2編ですが、最後の作品が前後編に分かれていて1番ボリュームがあります。
1編目(表題作)、罰ゲームで近寄り近寄られる高校生の話ですが、際どくて荒削りで赤裸々な若い関係がおいしかった。
2編目、男子中学生の性への好奇心や嫌悪感や経験不足からくる無知にダイレクトに嫌な気分にさせられました。まんまと取り込まれて最高です。
3編目、ファンタジックミステリーな感じ。なんだか全員が怪しくて、そしてエロティック。なかなかの濃さです。どこまでが仕組まれていたのか、真意がわからない。
読み始めからどんどんドロドロの底なし沼に沈んでいくような感覚の一冊でした。
派手さは無いけども、茨の森の沼のような作品が好きな方は読んでみて。
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