ひりひりチクチクが止まらない表題作。
10年の2人の後悔や憔悴、劣情が詩のように流れて読み手を揺さぶります。
表情も男の激しさをクールな面持ちの中にぎらりと覗かせていて、ほんと絵もセリフも最高に上手いのであっという間に物語に入り込んでしまいます。
他、6作品+4作品のおまけです。
すごく短いものは8ページほどですが、8ページでこんなにも充実した旨味が凄い作品を描けるなんてヤマシタ先生を尊敬してやまない。
どの作品もモノローグ、セリフが巧みで脱帽です。
遠いスピカに旅立つお話がありますが、とても切なくて可愛らしくてとんでもなく儚くて、何度も読んでいるうちに涙がこぼれてしまいました。
この気持ちどうしたらいいの?‥と私の心にしがみついて離れない作品です。
私の中で一番の短編集です。
宝物。