背景・機械・小道具類の圧倒的な描写力と描き込みにより、人類が滅亡した後の荒廃していく廃墟群の退廃が鮮やかに描かれる。漫画で背景描写に圧倒される体験は結構貴重で稀少。
その偏執的といってもいい描写力により描き出される世界観も圧倒的で、説明が不要になるレベルで『絵』の醸し出す『雰囲気』による情報量がものすごい。
ストーリーや登場人物達の描写ももちろん良いのだが、やはり特筆すべきは背景の廃墟群や朽ち行く機械群、緩やかに劣化していくロボットたちの姿だろう。
過行くものの大きさ故の虚しさと滅びの中で明日へと進み繋いでいくささやかな希望が圧倒的背景描写によって描かれる傑作。