この本を読んでて凄く引っ掛かるのが登場人物がみんな賢いって事ですね
小説とか書く上で気をつけなくてはいけないのが登場人物の頭の良さにバラつきを持たせなくてはいけないというのがあります
何故かと言うとキャラ同士の掛け合いが一方通行になってしまって読んでる側が想像する幅を狭めてしまうから
この作品は作者がこうしたいのだろうってゴールに向かって主人公もモブも作者と同じ賢さで話し合いしてるせいでギミック等は凝ってるけど単調になってしまっている
彼が行方不明になった女性とか推察したおっさんとか坦々と狂った話をしてて人間味が薄く、仮にそこまで想像ついたなら妄想と取り合ってくれなくても警察行くだろとか普通の思考を飛び越えて主人公にだけ会話するのが現実感が無い
窓の無い子供部屋の話をまるで当然のように理解し合う掛け合いは作者と作者の会話になってしまっていて小説家として素人というか、これに気が付かないとこの先も微妙な作品ばかり作るハメになる
ギミックや目新しさ、絵の巧さで評価が高いみたいですがいざ読んでみると色んなキャラを使った作者の独り言でしかない
もう少し話に動きと推理する幅を持たせて欲しかった
まあ作品の出来と認知度や売れ方は比例しないし売れたら正義って考え方なら大成功なんだろうけど、人に勧める作品ではないなと私は評価しますね
あと、窓が沢山あるのは外の人へのアピールって推理は発想が飛躍し過ぎてる、最後の証明のための一案にするなら分かるけど推察段階で思い至るのは作者の発想になってしまうってのもモヤモヤポイントです