騎士団にいた半魔族で人間のカイルが、辺境伯のアルフに溺愛されるお話です。
出自の卑しい自分が、肉親を亡くして傷心の身のアルフを支えていくのは相応しくないと身勝手に離れて3年。
再会した二人はすぐには元の関係にはならないけど、カイルが全てをアルフに話すことで、少しずつ関係が戻っていく1巻でした。
魔族と人間の和解を目指し時代が動く中で、それを良しとは思わない人、昔革命を起こした魔族のリーダー、被害者であり加害者でもあるカイルの母親が絡み、情勢は悪い方向にいきそうな感じです。
辺境伯アルフと元騎士団のカイルは、陛下や殿下をはじめ国を守り、魔族と人間のわだかまりがなくなるために、力を合わせていくかな。
二人の気持ちがすれ違いそうだけど、素直でかわいいカイルの天然なくらいの純情さを、激重愛のアルフが必ず近くで守るので、安心して読めます。
ドラゴンとカイルの戯れはおもしろく描いてあり、また親友のキース神父もユニークな性格で物語に軽いノリを与えつつ、どこまでも悪そうなカインツがでてきて不穏で緊張感がある空気感がバランスよくて読みやすいです。
ただ個人的にドラゴンの描写が見にくいです。セリフと動きなどがあまり好きではないです。