1巻表紙の主人公。ふつうだ。いやフツウじゃない、漫画のフツウなら2巻以降くらいのビジュアルの子が「私って平凡」と言いながらバンド組んだとたんスゴイ人に才能を見出だされちゃったり、イケメンに気に入られちゃったりするのでは!?
だけど「はとっち」こと鳩野ちひろは陰キャのギター初心者。最初に組んだバンドもオーディションに落ちて男子メンバーはやる気をなくし、楽器店で出会ったイケメンは「3年間いい感じになることはなかった」(過去形断言)どころか恋愛トラブルメーカーだったり、ボーカルの才能は見出だされたけど相手はなかなかに策士なバンド仲間の厘ちゃんだったり…と、漫画的なフツウをことごとく粉砕する「ふつう」がどんどん面白くなっていきます!
なにより、最初に彼女が我を忘れて歌う場面、回想からそれまでの鬱屈や思いが爆発していて、「ロックって、こういうものだ!」(やったことないけど)と熱くなる。バンドも様々に人が入れ替わったりライブも順調ではなかったり、でもはとっちの基本面白くて一生懸命なキャラクターもあって、どんなことがあってもどんなに周りが個性的でも「いいじゃん、ふつう!」と明るく読めてしまいます