一条ゆかり大先生の中期の代表作といったらこの作品でしょう。余りに長くて暗いので、すっかり途中で描くのが嫌になってしまったと作者がこぼした悲恋大作。大富豪のローム家の一人娘のナタリーは、屋敷の前に捨てられていた孤児のフランシスと兄弟のように育ち、やがて二人は愛するようになっていく。当然のように、仲を反対された二人は海に身を投げるがナタリーだけが助けられる。数年後死んだと思ったフランシスが見つかり、会いに行ったナタリーは彼が記憶喪失になり、結婚して子どもをもうけていることを知る。フランシスの息子を引き取り育てることにしたナタリー。フランシスと名付けられた子と父親とそっくりな男の子、彼とナタリーの物語が始まる。