『どうしても触れたくない』を読んだときも似た感想だったのですが、とても読みやすいし解りやすいけど、感動するということはなかったです。
まず、主役二人とも、過去も現在も、辛い・苦しい・痛いことばかり起きすぎて、そこまで盛り盛りにしなくても……と引いてしまう。
出てくる人みんな、屈折しすぎ・病みすぎ・カッコつけすぎで、見ていて疲れる。
そして矢代の、強かだけど寂しい、賢いけど危うい、歪んでいるけど優しい……というところが、あまりにも解りやすーく描かれすぎていて、醒めてしまう。
感情がダイレクトに自分の心に刺さってくる前に、作者様の意図が透けて見えてしまうというか……。
あとは、もともと倒錯的な性描写が苦手なので、そういうシーンが多すぎて萎えた、というのもあります。
……と、ここまで自分の書いた文を読み返すと、「~すぎ」ばかり。多くの読者が「凄い」と感じるものが、私には「過剰」と感じられるようです。相性合わないんですね。
いつか面白くなるのかも……と、半ば意地で3巻の最後までは読みましたが、やっぱり脱落しました。