前作「三村と片桐」の続編が表題作で、15年来の付き合いになった恋人同士のお話です。でも続きだからわからないこともたぶんないんじゃないかな?私はこちらの方がとても好き!
前作同様、学生時代の二人の馴れ初めや片想いだった頃の回想を織り交ぜて、30歳とは思えないほどの初々しで恋をしています。前作でも思いましたが、この作品、含みを持たせたところはたいていなんじゃそら…な展開が待ってる(笑)だから重くないしさらっと読める、愛おしい作品です。
あと短編がふたつ入ってますが、ひとつめが好きで、、仲の良い友達同士が大学に入って同居しますが、だんだんぎくしゃくしていき友達関係が壊れていきます。その理由を二人のささいな行動や意味ありげな表情や間なんかで見せていくのがうまいなぁと思いました。
個人的に、お話に物足りなくてもツボじゃなくても絵がそこまで好きじゃなくても何かが心に残るので、そういう意味で安心して読める作家さんです。