ネタバレ・感想ありCOCOONのレビュー

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本当、何で戦争なんかするのか
2024年6月10日
紹介したい本は?というのがあるが、こういう作品がいろんな人に読まれるべきだと思う。
何も知らない現代。自分の生きている土地にこのような歴史があったという事実。
やるせない。そして、やっぱり戦争の中身を語り継ぐこと、安全な世界が続いてほしい。
ヒメユリの塔
2022年3月29日
戦争3部作の最初に描かれた作品です。
3部作中では最も共感を得やすい形で描かれています。
日本に於いて、戦争は色々な意味で遠くになってしまいました。
昭和だった頃は創作者が円熟する頃に、「あの戦争」を題材として表現する方が多かったのに、最近は少なくなったなーと感じていました。
昭和時代には実戦体験を生の声で聞く事も多くありました。
たいていは感情を一切含まない事実の羅列でしたが、心を閉じ込めないと語れなかったのだと思います。
それが今作の主人公、ひいては今作の語り口と酷似していると思いました。
………
日本では遠くなったと言いましたが、訂正します。
グローバルな時代となり、この地球上で必ずどこかで紛争や戦争の為に犠牲になっている人々の現実を、居ながらにして知る世の中となりました。
無力な私はその都度、戦争をしたいヤツだけその瞬間に亜空間に飛ばされてしたい分だけ己自身の身体で戦えばいいだろが!!と憤慨しております。
今の地球上では人はかつてない程に物質に満たされているはずなのに、この上何が欲しいのか?
ナショナリズムに頭を侵されたリアリストを、現在の私たちはリベラルな観点で見ています。
77年前には不可能だった事です。
もう30年もすれば地球上からチカラを持ったナショナリストは絶滅しているかもしれません。
プー◯ンと習◯平が最後のナショナリストであらん事を願って止みません。
どの時代のトップも、所詮は人間である限り己の欲に左右されています。
そして無力な犠牲者は、仕方がなかった、と受け入れざるを得ません。
………
今作品はまさに今が読みどきな、無力な人々のお話です。
これは明日の我が身になるかもしれない。
全編通して「マユ」(繭)のあり方と意味が、深く心に残るお話でした。
………
フォローさま方のレビューを有り難く拝読(再読)致しました。
皆様の素晴らしいレビューに、本編を読んだ時には流れなかった涙が溢れて来ました。
レビューって、本編を読む前と読んだ後でこんなに印象が変わるのですね。実感致しました。
本当にいつもありがとうございます。。。
読みホで読める今読むべき話
2022年3月9日
「cocoon」「アノネ、」「ぱらいそ」と続く戦争下の少年少女を描いた三部作。全て読みホです。フォローしてる方々がレビューされていて知りました。いつもありがとうございます。全三作読みましたが、cocoon が一番読みやすくわかりやすいので、もし1作だけ読むなら沖縄戦のひめゆり学徒隊をモデルにしたこの作品をぜひ。
(「アノネ、」と「ぱらいそ」は現実と幻想?夢?がかなり混じりあう展開でメッセージは強く伝わりますが私には少しわかりにくいと感じる所がありました。もちろんアノネ、に関しては原本のアンネの日記が壁の後ろで隠遁生活をおくる恐怖と辛い現実から離れて空想で羽ばたく夢も書いたものなので、日記の趣旨にそっているものなのですが)

きっと沖縄のあの時代にスマホがあったらTwitterで彼女たちの声が聴こえたかもしれない、そんなさざめく日常を送っていた女学校の少女たち。絶え間ない空襲と近づく戦火と共に召集を受け、看護要員としてガマ(洞窟)の病院で絶え間なく送られてくる重傷者の手当て、積み上がる死体の処理を行い、ひとりひとり友人が喪われ、耐えられない現実に白い繭(cocoon)に包まれて見たことのない雪を想う。
痛くて辛くて読後はしばらく動けなかった。「戦争は爺さんが決めておっさんが命令して若者が死ぬ」ある人が言った有名な言葉ですが、過去からずっといまも変わらず悲劇が起ってる。友人の知り合いの大学生が休学して祖国へ帰り従軍すると聞きました。彼のご家族の気持ちを思うとなんて言ってよいのかわからなかった。若い命が消えていく。私たちはどうしたらよいのだろう。
心に刻まれる作品・・でした。色々な意味で
ネタバレ
2022年3月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 沖縄のひめゆり部隊を元に描かれています。読み放題。
3部作のひとつ、なんだそうです。絵柄がふんわりとしているので、何とか最後まで読めましたが・・・内容はとても凄惨な場面が多くて目を背けたくなります。でも取材をもとに、なるべく真実をきちんと伝えようとしている作家さんの「魂」を削った作品なのではないかしらと思うと、つい何度も読んでしまうんです。
体力や精神の限界ギリギリの戦時下のなか、逞しく生きていくサンという少女を主人公に、少女たちがどのように生きていたか・・・を描いています。サンにはマユ先輩という、皆の憧れの先輩が常に側に居て、気が狂いそうな精神状態の時にも気持ちを宥めてくれ、力強い存在なのですが・・・マユ先輩の最後は・・哀しく切ないものでした。何だか報われない気がして、思い出しては一緒に生きていけてたら良かったのにと涙が流れました。
私はきっと「えっちゃん」だわ・・・きっともう耐えられない。どんな事があっても生き抜く・・という強さが無いなと・・・そんな風に思いながらまた読み返してしまう・・・。重い題材ではあるのですが・・メッセージ性のある素晴らしい作品だと思います。決して繰り返す事がないように・・伝えていかなければいけない、平和であることの有難さ。こんなにも影響を与えてくれる作家さんの表現力の凄さも、感じずにはいられない。
読むきっかけとなって下さったフォロー様・・有難うございました(^^
想像の繭 ー戦争を怖いと思うことー
ネタバレ
2022年3月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読み放題対象作品。3部作の1つのようですが、ひとまず本作のみ読了です。
凄惨な史実を淡くやわらかいタッチで描かれているため、何とか目をそらすことなく読むことができました。これは、途中で読めなくなったり、ただショックを受けて終わりとならない、心に留めておける、考えることができることに繋がる作風ではないかと思います。
友人が、「反戦を唱えるだけでは思考が停止してしまう」と言い、私は、「えっ」と軽くショックを受けました。「戦争反対」と唱えるだけでは戦争を止めることはできない、止めるために何をするべきかの議論が必要だと。確かに一理ある…。
今も戦争を止めるための議論がされ、攻撃ができなくなるような措置を始めています。その中で、他国の一般市民にできることを自分たちで考え、アウトプットする必要性を友人の言葉から感じました。そうは言っても…が本音ですが、関心を持つことが第一歩目だと思います。
この本に描かれていることを「自分とは関係ない」と思えたらどんなに楽だろうと思います。でも、どんなに望まなくても、戦争は起こりうるものであり、侵略は一方的に始めることができるということを、日々、まざまざと見せられています。ネット環境やSNSの発達により、生の声、生の映像が届く中、情勢への関心は高まっています。声を届けることもでき、その大勢の声が無視できないくらいの力をもつこともあります。
確かに、戦争に対する考え方は様々と言えます。それでも戦争は起こしてはいけないという大前提は揺るぎなく持っていたいです。その心を養うために大切にしたい作品だと思いますし、今後のアウトプットに生かしていきたいと思います。
繰り返さないで欲しいと願うしかないのか
ネタバレ
2022年2月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読み放題より。

戦時下での彼女たちの戦い。
混乱の中、失われゆく沢山の命。
ひめゆり学徒隊をベースに、当事の過酷な惨状が柔らかい作画で描かれているにも関わらず、とても苦しい。深いため息をつきながらも休み休み噛み締めるように読んでおりました。

TVで見ている今この瞬間に起きている現実。
長期的な準備による攻撃。
小さな子供までもが死にたくないと泣いている。

悲しみや憎しみや怒りが感染する様に広がりゆく中、
燻り続けた小さな火種が大きく広がる前に、どうかこの愚かな行為を、今すぐにでも辞めて欲しいと願う事しかできないのか。

あとがきにあるマチ子先生の想いに触れ、いま一度どうかと願うばかり。。

多くの方の目にとまって欲しい御本です。
自分的課題図書(その2)
2021年12月30日
今日マチ子先生の戦争三部作。
「COCOON」「アノネ、」「ぱらいそ」と続きます。

こちらの作品はひめゆり部隊をベースに描かれたファンタジー。
凄惨な描写も多く、子供の頃から「はだしのゲン」を読んでいた私でも結構、きました。そこらへんはちょっと覚悟が必要。

物語中盤で大きく話が展開するのですが、衝撃の事実にさらに引き込まれる。

読み終わった後は頭の中で爆撃の残響や、血の混じった砂塵の香りまでするような作品。

ファンタジーですが、今でもどこかで繰り広げられている現実。
サン、花子、ユーカリ……
幻想を抱いて眠るしか生きる術がなかった魂を、私は忘れちゃいけないんだと思った。

憧れも、初戀も、爆撃も、死も――この本についている帯の言葉。
戦慄するような戦争の疑似体験を読者にさせながら、無言のメッセージを送っています。

フォロー様のレビューで知ったこの作品。
ずっとレビューしようと思いながら、言葉にできなかった、私の課題図書。
まぁまぁ読むのがきつかったけど、読んでよかったです。心から。
フォロー様、ご紹介ありがとうございました。
平和に感謝し平和を守りたい
2021年10月18日
読み放題。フォローしてる方のレビューで知った作品です。教えていただきありがとうございます。
76年前の沖縄戦で負傷した兵員を看護するひめゆり学徒隊を題材にした物語。フォローさんが仰るように、柔らかく優しい絵なので、本当なんとか……読めました。人が目の前で死んでいく、酷い姿になっている、凄い異臭、友人が死んでいく、自決していく、それら全てに慣れていく。生きたいのに生きられない。自由に羽ばたく事が出来ない、どんな世界だったのか。生きのこったものは、どこか切り替えた部分もあり、強くなり生きている。76年前と言うまだそう遠くない過去に戦争があったなんて、今の生活をしていると、本当に実感がない。

話がそれますが、その時代、私の中では凄く団結力が強いというか、絆が深いと言うか、情が深いと言うのか、子供も自分で考えて生きている。今の時代は、平和だけど横との繋がりが細く、情が薄いと言うのか、関心がないと言うのか、心寂しく感じることもあります。時代のせいにしてはいけないと…子供がもう少し大きくなったら、この作品を読んで欲しいです。
今、台湾問題をよくニュースで見るけど、戦争は絶対に繰り返してはいけません。あと30年後、どんな世界になっているのか不安です…。まだレビューしてるかな。今は平和の中で生きていることに感謝し、戦争で亡くなった人たちの想いも忘れずに生きていきたいです。多くの人にもっと戦争について触れて感じて欲しいと思いました。
飛べない蚕
ネタバレ
2021年10月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読み放題。
今日マチ子先生による、戦争三部作の1つ。

柔らかく叙情的な作風で、ここまでグサリと現実を突きつけられるとは予想外でした。
逆にこの柔らかさがあるから、最後までこちらも逃げずに読み切れたのかもしれません。

少女たちは自らを守る為に繭を作る。しかし繭から出た蚕は飛べない。だから自らの足で歩んでいく。
どこか亡くなった友たちを切り捨てている様にさえ思えたのですが、しかし感傷に浸る事よりも、振り返らず自らの足で進んで行く強さが無ければ、あの時代から前には進めなかったのではないかとも思います。
必死に生き抜いてくれた世代のお陰で私達が存在できる。そう思います。

本編で私は掴みきれなかったのですが、あとがきでマユの基となるエピソードを知り、そういうことだったのか…と何とも言えない切なさで胸が一杯になりました。

あとがきでマチ子先生は、戦争については人それぞれ考え方があるけれど、描くことを通して根源的なものに触れたいという思いを綴られていました。
教訓めいていないのに、ここまで深く揺さぶることができる本作には、もはや先生の仰っている根源的なものが沢山詰まっていると感じました。

戦争を知らない我々が、読まねばならない作品の1つだと思います。
学校に置いて欲しい
ネタバレ
2019年8月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 昔学校で見せられた映画ひめゆりの塔を想起しつつ…この歳の可愛らしさや表現力や心情の変化などを上手く生かして戦争の残酷さを描かれています。あっさりした絵柄でどう表現するのかと思っていましたが侮っていました。最後の戦争を生き抜いて新しい世界で笑っている人達と戦争の最中辛く苦しいまま死んでいってしまった人達との対比が辛くて悲しかったです。心に突き刺さりました。どうか多くの方に読まれ戦争について今一度考えてもらいたいです。
テレビで紹介されていて読みました
ネタバレ
2019年3月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 後書きまで含めて他の方にも読んでいただきたい作品です。
とても考えさせられました。
絵が可愛くて少女漫画風のタッチであるからこそ、より戦争が急に理不尽に残虐に人の日常を命を奪っていくことを感じさせられました。
人が死ぬシーンは残虐さを描き抜いてると思います。
戦争は怖い、嫌だ、という印象を強く残しました。
たくさんの人に読んでほしい
ネタバレ
2016年12月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 戦時下の沖縄をモチーフにしたお話でしょうか。淡々と進む残酷な日常を生きる少女たち。自分にとって忘れられない一冊になりました。
アニメを見て
ネタバレ
2025年5月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ YouTubeの切り抜きを見てここまでたどり着きました!アニメはアニオリがあってアニメで見た印象的なシーンが漫画にはなかったりしましたが、漫画の方が現実味がありました。
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