ドラゴンに襲われた妹を助けるためにモンスターを食べながらダンジョンを進む冒険物語。
アニメ化などで話題の作品、今回シーモアの無料キャンペーンで7巻まで読了しました。ゲーマーには見慣れたモンスターたちを調理して食べるという発想がとにかく斬新で、食材となるモンスターの調理方法や食べ方など、とても緻密に描写されているのが面白く、冒険物語に新しい世界観を生み出した作品だと思います。
ただ、元はモンスターだと思うと、出来上がった料理が美味しそうとはなかなか思えず、読み進めるのに苦労しました。また、最初の方はライオス一行以外のパーティーの話が急に入ってきたりと、良く分からないまま展開する部分が多かったです。途中から序盤に出てきた人たちとの絡みが生まれ、徐々に物語が大きく動き出しますが、そこまで面白く読めるかどうかが一つの分岐点になるかなと感じました。
お話はモンスターを食べるというポップな面白さで描かれていきますが、根底にある主題が実はなかなか真面目な作品。弱肉強食や食物連鎖などの食の常識やありがたさなどを考えさせられたかと思うと、黒魔術などの禁忌を犯すことで、絶対領域を歪ませたツケをどう是正していくかなど、マンガとは思えない程その奥の世界をみんなの頭の中に生み出している気がします。内容としてはマンガより小説などで描かれるべき作品なのではないでしょうか。発想の面白さとその奥で考えさせられるものとのギャップが、魅力でもあり難しさでもある作品だと思いました。