人を可哀想と思うことって悪いことじゃないけど歪みを生むものでもある。兄の真意がどこにあるか掴みきれずにいたので、だんだんと分かってくると実際にも身動きの取れない兄の、弟や家族に対するもどかしさを想像してちょっとしんどかった。
でも兄が弟を解放するのではなくお互いが自由になれたって終わり方が後味良いです。
感情と川とを重ねてるのが好き。それが海という広大な場所に繋がってるのもイイ。与えられた役割を演じ思考を止めるのは楽でイイけど、コタローのもとへ行くにはそこに留まってはいられない、そんな峠を越える話。
ちょっと表情が固いけど作風だろうしほっぺにちょんちょんってのの可愛さが引き立ってたしで嫌いじゃない。
もう一編は小鳥遊の呼び方の由来を初めて知りひとつ勉強になった…。動物を蹴るような人間のどこを好きになったのかめちゃくちゃ気になった。表題作の兄主人公のお話だったらもっと嬉しかったけど。
どちらも特別心に響いたってわけじゃないけど描くテーマは面白かったです。