主要人物は3人。
+2人←彼らもストーリー展開的には重要なんだけども。
主要人物3名の拗らせながらも行くとこまで行ってしまいながらの捻りだすような着地点が...よかったなぁと思ってしまった本作でした。
とんでもない壊れた大人、牧と永田。
恋に身を滅ぼしてしまう高校生、松浦。
牧のモノローグから始まるこのお話の不穏な雰囲気に惹かれてずいずいとページが進むんですわ。
彼はまさに羊の皮をかぶったバフォメットですわ。
しかも本気の自覚無し。自虐する程度では自覚とは言えませんからね。
そしてバフォメットなりのつらい過去があるにはありましたが、かみ砕けばかみ砕くほどやはりバフォメット。
そのバフォメットの毒牙に狂わされたのが間違いなく永田なんでしょ?
黒幕と実行犯みたいな関係に私には見えてしまうけど…。
病んでしまうほどの執着好きの私には永田の狂いっぷりはオツなものがありました。
三つ巴、永田さえいなければ…なんてことはないですから。
永田は私からすれば愛すべきマモンであります。
このどうしようもない大人二人に巻き込まれたのが松浦。
オイシイ子羊じゃないの…もう子羊にしか見えませんでした。
なので非常に拗らせ方執着の度合い、そして陥落してゆく自我…最高か~となっておりました。
私的にはやはりこの着地点に納得がいかず…。
松浦は良いの。
松浦は。
ただ、もともと持っている己の悪の部分を増幅させた大人2人が、天啓を受けたように光の中に行くことは想像できないんです。
なので肩透かしな終わり方に感じてしまいました。
1、2巻の途中まで物凄く好きなタイプの作品だったので。
でも、わたし先生の誰にでもあるちょっとした悪心をサラッと描く作風が好きなので、本作も読み終えて満ちておりますよ。
大人はいつでもちょっとずるくて悪いのよ。
作中でもいさと先生が描かれておりますが、牧先生が若返りますw
恋すると男も若返るのか?w