このレビューはネタバレを含みます▼
映画シックスセンスのように冒頭から程よい種明かしの描写があります。
加えてこのタイトルなので展開の予想はつきましたが、その程度では損なわれない魅力のある作品だと思います。
大団円のハッピーエンドではないのですが、人の幸せは他人には推し量れないし、目を覆いたくなるような悲惨な現実の中で2人にとってはこれが最も幸せな結末だったのだと思います。
決して良い選択とは言えませんが…
メインの2人以外の身近な人のやさしさや残酷さ、周囲の無責任さなど人物描写も奥行きがありました。
ラストページはまるで映画のエンドロールのような美しさがあります。
前作も好きでしたが、今回もすっかり引き込まれました。
新作が出る際は必ず読みたい作家さんです。