嫌い、大嫌い、愛してる。
」のレビュー

嫌い、大嫌い、愛してる。

ARUKU

すごい作品

2020年4月18日
普段レビューを書く方ではないのですが、今回書きたくなりました。あまりにも心を揺さぶられ、動かされたので。
ARUKU先生の作品を拝読するのは初めてで、正直に言うと絵が好みじゃなく購入を迷いましたが、レビュー数が多かったのとクーポンが出たので試しに読んでみたところ、迷っていたことを後悔するほどにものすごく読みごたえがある作品でした。他の方も言われていますが一本の映画のようですね。
最初攻めの凍月が本当にゲス野郎すぎるんですけど、だからこそ後半の展開はすごく胸が痛いです。
奏に対する献身的な愛を見て、ジーンときてしまいました。
そして嫁…!色々と衝撃でした。
最後はいろんな受け取り方があるかもしれませんが、私は例え夢であっても、二人が幸せならそれはハッピーエンドだと思っています。汚いことや苦しいことばかりの世界から、誰にも邪魔されない二人の国へ行けたんだと。
自分を騙した凍月を憎み、復讐してやると思っていたのに、甘やかされ、愛されて、自分も愛する演技をしているうちに、いつしかそれが演技なのかもわからなくなるほどに凍月を愛してしまった奏の心の葛藤が切ないです。
表紙の奏が微笑みながらカッターナイフを握っていますね。本のタイトルの「嫌い、大嫌い、愛してる」は奏の気持ちそのものだと思いました。
いやー、素晴らしかったです。
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