兄弟制度のあるヤンキー学園で、今日も契りを迫られてます【電子単行本】
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兄弟制度のあるヤンキー学園で、今日も契りを迫られてます【電子単行本】

赤いシラフ

当て馬が…

ネタバレ
2020年8月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 他の方のレビューにありますように、攻と受のイチャイチャ加減やイラストの綺麗さなどは素晴らしいと思います。ですが、私的には苦手な描写があったのでこの評価とさせて頂きました。☆下げてしまい申し訳ありません。まず1番しんどかったのが、礼央(当て馬)の扱いです。礼央は本堂(攻)の高校時代の先輩かつ兄関係にあった存在です。無意識的に本堂を好きだったのですが、そのことに気づかず高校時代暴力を振るってしまっていました。その点はもちろん悪いのですが、元々の舞台が不良校なので、暴力自体はよくある世界だよなと個人的に思いました。礼央はその後黒須(受)をさらい性的暴行を加えようとする(未遂で終わります)など、もちろん酷い人ではありますが、彼は本当に救われません。礼央が本堂に「キスされるかと思った」と言った際、本堂は「お前となんか死んでもするわけないだろ」と返します(恐らく本堂は冗談だと思っています)。そして本堂はその後黒須にキスをし、心配し、イチャラブし始めます。黒須は礼央の気持ちを知っていますが、2人だけの世界に入りやめる様子もありません。「自分とは死んでもキスしない」本堂が「別の男とはキスをする」ことをまざまざと見せつけられた礼央の気持ちを考えると、本当に苦しくなってしまいました。その後礼央は黒須を撃とうとしたり(逆に黒須に手を撃たれてしまうのですが)、自分たちがいる所に自暴自棄になって放火したりしますが、まぁそうなるよね…と思ってしまいました。そして最後は黒須の組(黒須も礼央も極道ですが別の組に所属、黒須は本家の跡目)の部屋住みとされるなど、救いようのない状況に置かれます。礼央に救済措置がなかったのが本当に辛く、最早黒須と本堂のやり取りを見るのもしんどいです。次に、黒須が極道の跡取りなのもしんどいです。具体的な描写はありませんが、割とガチめな極道であることは伺えました。そして、彼が跡を継ぐことを望んでいるわけではないことも苦しいです。出てくる登場人物みんな辛い過去や現実(本堂は礼央に暴力を振るわれ、礼央は本堂に恋していたが叶わず極道としても再起不能、黒須はなりたくない極道の跡を継ぐ)があり、作品全体はすごくポップなのですが、なぜかキャラの設定は凄く重いです。細かい点ですが高評価ばかりだったので、以上のことをご考慮されてから購入なさった方がよろしいかと思い、レビューさせて頂きました。
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