Babel
」のレビュー

Babel

古宮九時/森沢晴行

言葉を巡る異世界ファンタジー

2020年9月15日
こんなファンタジーが読みたかった。
異世界に迷いこんだ少女と青年のロードファンタジー。未知の異世界を、あるいは関連作『Unnamed Memory』の300年後の世界を、主人公二人と旅をしながら知るのが楽しい。世界の変革への片鱗が、第一章から伏線として織り込まれている。この異世界で主人公が頼れるものは、「話し言葉が通じる」というただ一点のみ。魔法も知識もないなかで、言葉と心を尽くし、帰り道を切り拓こうとしていく姿は応援したくなる。
そして、言葉こそが「人間」を作るのだと気づかせてくれる。
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