このレビューはネタバレを含みます▼
『俺の人魚姫』のスピンオフ。前作でナイスな当て馬君だった柏原君のお話です。どうしてもお金を稼がなくてはならない「別れさせ屋」の柏原君に、ある依頼が持ち込まれ、ターゲットとして地味で目立たない朽葉斐と出会います。依頼主は朽葉の義姉で、愛人の子である朽葉の相続権を潰したいがために、相続人としてあるまじき証拠写真を撮れと柏原君に依頼をしてきます。親族経営の大企業の相続争いという結構ありがちな設定かなと思いきや、後半の展開が半端無くブッ飛びまくっています。さすがさすがのARUKU先生です。『君の夢をみている』や『スクールナイト』に通じる素晴らしい展開。BLとかSFとかファンタジーとかの概念を超越しています。川面を流れる朽葉みたいに生きてきた朽葉斐の孤独を「朽葉が憶えている限り、俺は死なない」と全て受け入れる柏原。凄い。感涙。いわゆるラブラブハピエンではないかもしれませんが、読んで損は無いです。