このレビューはネタバレを含みます▼
1000冊以上のBLを読んでいるとさすがに既視感がしてきますが、時折すごく心をわしづかみにされることがあって、これはそういう作品でした。著名な写真家のゾムは原因不明の難病で左目の視力を失い、13才の時に楽園のような南の島で出会った神々しいほどに美しい少年(マニ)を再び同じ場所で撮影することを強く願います。マニは故郷を出てパリで研究職に就いていて島に戻ることを激しく拒否します。彼は島を離れてから差別と偏見に晒され、自尊心を損なわれて輝きを失い別人のようになっていました。そんなマニをゾムは20年前と全く変わらないと言い切ります。使い古された言葉でしょうが、これは愛と再生の物語です。ストーリー重視の方にオススメしたいです。ぜひ多くの方に読んでレビューを残していただきたいです。表紙でためらわれるかもしれませんが中の絵は違いますので試し読みしてください。岡田屋先生がゴーギャンをイメージして描かれたのでしょうか。ライアテアとはフランス領ポリネシアに属する島の名で、神話ではポリネシア人発祥の地とされているそうです。ちゃんと完結していますが、あとがきで そんな二人のこれから、それはまた別の機会に...とあります。読めたらとてつもなくうれしいのですが...本当に心からお待ちしています。
2013年8月 総194ページ 修正=見えない構図。