けものあそび
」のレビュー

けものあそび

もちの米

救済

ネタバレ
2021年1月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初めての作家さん。フォローしてる方のレビューで読んでみたくて購入。
暴力の背景がわからないまま順番通り読むより、先にこちらを読んでいた方が良かった、とありましたので私もそうかも!と思い真似してこちらから読みました。
結果、私にもその方が合ってました。ありがとうございます。

将輝と翼の救済、そして二人だけの形の愛情に辿り着くまでのお話でした。
幼少期からの辛い過去で暴力でしか人との関わり方を見い出せなかった将輝。
それでも社会人になって施設に送金していた事実があるのなら、施設の方々からの愛情は将輝にとっては信用できる「拒絶」される事の無いもので、根底には暴力以外の選択肢も育っていたのかな、と思いました。ただ母から受けた「拒絶」が何より恐ろしく、無意識のうちに自分を守り拒絶を回避する為に暴力を選んでいたように思えました。

千明がなんだかんだと悪態をつきながらも将輝を完全には突き放していないし、
翼との事を知りながらも、自分にあんな事をしておいて幸せになる気?というような事を考えてなさそうな所は心から感謝すべきところですね。どんな復讐をしたっていいくらいの事をされているのに。
千明は許す必要は一切ありませんが、将輝が翼を大切にできるようになったのなら、千明に対してきちんと謝罪する等、将輝が誠意を見せる描写が1コマでもあると、更に良い読後感だったと思いました。

将輝と翼の関係の変化、SE〇の変化がとても好きでした。
最初は暴力的なものから始まり、最期のえっちは相手を満たしてあげようとする愛情をたっぷりと感じることができて、ああこの二人はもう大丈夫だな、と思えました。
タイトル、本当にそうですね。私は作者様の「もちの米」もインパクト大でした。
忘れっぽい私でも頭に残るかも笑
いいねしたユーザ15人
レビューをシェアしよう!