あがってたんせ
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あがってたんせ

yoshi

日常と地続きの幸せについて考えたよ

2021年2月16日
yoshi先生が作画担当された「恋をするには透明すぎる」が素晴らしく良かったため、オリジナルのお話も読んでみました。絵は言わずもがな、素晴らしいタッチでございました。
極寒の北国農村が舞台ですが、登場人物がことごとく善良で誠実で可愛らしく、ほっこり心が温かくなるようなお話でした。28歳孤独な青年が美味しいお米目指して計画性なくやってきて行き倒れ、拾われた先で家族(農家の嫁)になっていくお話。男同士だと「嫁」というワードでも特に嫌悪感なく受け入れられるのが我ながら不思議です。まあ嫁サイドも農業がやりたくて来たので、しょっぱなから利害は一致しているわけですが。
方言ガンガンに出てくるので、東北地方出身の方は親近感をもって楽しく読めそうですね。
みんないい人だから、他所者の受けもすんなり馴染んで、攻めとの仲も徐々に深まって...いいですなあ。ほのぼのしますなあ。Hはありますが割とあっさり目です。
本当の幸せってなんだろう...やっぱり家族や周りの人たちとのささいな日常がそれなのかな。都会に住み四角い部屋の中で日々仕事ばかりしている自分の感じる幸せとは随分とかけ離れた世界でした。私は基本、家事は嫌いだし、面倒な肉親から隙あらば逃げ出したいと思っているような人間なので、こんな風に身の回りの小さな幸せを見つめて生きていけたら良かったのに...と少々うらやましくも思いました。いかんいかん、コロナ禍で心がちょっと弱っているのかな!?いやでも待てよ、これ、嫁が女性だったら自分どう思うかな?BL好きの心理として、ここらへんになんか肝がありそうな気もしないでもないです。けど、、、ここであまりジェンダーについて深く掘り下げない方がいいのかもしれないですね。とりあえず目の前のBLを楽しみましょう!
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