薔薇王の葬列
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薔薇王の葬列

菅野文

めちゃくちゃ好きだった主人公はもう...

ネタバレ
2021年3月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作画は綺麗だし話は凄く面白い、だけど主人公の路線が大幅に変わりすぎてて不満。初めの方は女と間違われたらすぐ激おこ幻滅落胆みたいなスタンスだったのに今じゃメガネ男と毎晩の如くヤリまくってるという…。まさかこんな話になるとは思ってなくて面白いけどモヤモヤしながら読みました。キラキラ少女漫画とかtlで女体が嫌いな男装女子が恋愛狂いになるのはまぁ受け入れられますが、両方の性を持つっていう設定でしかも残酷で複雑な中世ヨーロッパの政治情勢を綺麗に面白く描いてるからこそ落胆が激しい。両方の性設定も初めの方は男も女も気になる対象として描かれててしっかり活かされてるのに、今じゃただの恋愛狂い完全に男が好きな共依存男装女の主人公になってて絵も女性的に変わってるし想定外の展開に悲しみが止まらん。百歩譲って自分を苦しみから救ってくれたあの初恋ヘンリーなら許せる、なんでヤンデレサイコメガネ??あんなに女要素を嫌ってたのに簡単に体許してその後はもう自分が性行為依存症みたいになってるし、序盤の話が好きな私からするとマジで気持ち悪くて仕方ない。しかもまさかの超ド地雷の妊娠展開に入ってるし泣きそう、機能がない根拠も無いのに猿のようにヤリまくってまさか出来てるってなったらなぜが絶望してんのがマジでアホすぎて無理、どう考えても子供の方が不幸やろ。なんで?理性的で論理的思考を持ってて、恋愛如きに左右されず、強く中性的な両方の性を持っている存在で良くないか?好かれることはあっても自分は好きになれない、だけどヘンリーやアンといるとなぜか心が安らぐ、そんな存在、みたいなふわふわさせとく感じでいいのに。恋愛ばかりにしなくても勝負出来るし人気出るのに結局は少女漫画か、って思ってしまった。主人公が男性に想われたりとか恋愛描写自体は女性向けとして否定しないけど、そのせいで冷静な判断が出来ないとかが本当にダメだった。あんなに初め体も心も中性的でそれを葛藤し悩み苦しむキャラを描いたならそれを突き通してほしかった。作者がそういう話を描きたいわけだから仕方がないけど男狂いの女オチっていう1番嫌いな展開になってしまったのがもう。「初めから女として生きてれば…いやそんな事絶対に嫌だ俺は息子だ男だ」うろ覚えだけどこんなセリフがあったと思うんだけど、これをまともに信じた私がバカだった。愚かな兄エドワードと何が違う??
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