このレビューはネタバレを含みます▼
初読みの作者さん(5/6までセールです)。初々しくて、春風のような気持ちよさを感じる読後感です。あとがきで、「しんど…」ってなって、平和を選んだ作者さんに、何だか好感を持ちました。ご自分の好きな要素を詰め込んだとおっしゃる作者さんはよく見かけますが、その要素についてきちんとリサーチなどされていると、読みやすいなとありがたく思います。2人が世継ぎでないことや大正時代は男色が復活の兆しを見せていた頃でもあるらしいので(もちろん大っぴらにはできないでしょうが)、関係もすんなりいく形で、ノンストレスでした。それぞれに身分や体のことなど引け目のようなものがありながら、卑屈になることはなく、想い合う2人の姿がとても良かったです。その後、一緒に暮らし始めた2人が可愛くて、ほっこり。可愛いだけじゃなく、「恋人で居続ける努力を欠かさない」2人にも、作者さんの想いが詰まっていました。実際、「結婚」という契約ができない場合は、ことさら大切になってくることかもしれません。