このレビューはネタバレを含みます▼
はあ~・・・すごいお話でした・・・。
オメガバース苦手でいつも避けていたのですが、ゆま先生ならどう描くかっていうのに興味を持ちました。もともと二次創作で存じてはいましたが、その視点、調理法、キャラクターの扱いすべてが、そこら辺に転がってるような都合のいい話とはまったく違っているので、とても信頼できます。
作品に対する本気と愛情を感じる稀有な作家さんだと思います。
お話自体は、ほとんどの場面が肌色なのに、エロさはあまりなかったです。むしろ、切なさとかキャラクターの魅力が溢れる作品。
とても細かいキャラクター設定がなされています。喬くんがいつも上下いっぺんに服を着ようとしてるのとか、身近にいそうで可愛い。
2024/7追記 3巻読了しました。絵が…更に上達している…!ものすごい努力家の先生です。
二度目のヒート。本能に引っ張られた初めてのヒートに比べて、お互いの思いが乗ったヒートはこんなにも温かく豊かな表現になるんだなあ。快感や、愛情の流れの表現が、他に類を見ない素晴らしさ。見惚れてしまう。
これから自立していく子どもに対して、保護者の立場からの思いと言葉が実感があって、これも良かった。
発情期のある動物が、もし言葉を使って自分の状態を説明できる理性を待ち合わせていたら…「西央くんは俺じゃないとダメ」「二人にして放っておいて欲しいだけ」と、人間として特別知性の高い識人を持ってしてもこんな風にしか言えないなんて、本能に突き動かされるヒートがどれほどのものなのか…。ゆま先生、どこまでも実感を伴った描き方をされる。