Daisy Jealousy
」のレビュー

Daisy Jealousy

おげれつたなか

わかりみが強すぎて長文レビューです

ネタバレ
2021年5月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ おげれつ先生の御本3冊目を読みました。こちらは二人のゲームクリエイターのお話。専門学校〜社会人の6年間位を追っていきます。
私も30代半ばまでアニメゲーム系の環境にいたので、色々な事が思い出され身につまされました。レビューが上手く書けるか心配ですが...!
相手と好きなものや目指すものが同じだからこそ生まれる愛着や執着、劣等感。チンケなプライドを保つために必死になって、そんな自分の浅ましさに気づき落胆、自己嫌悪。これは同性同士なら尚更だと思います。三咲よく頑張った!
説明に「天才型童貞攻x努力家嫉妬型一般人受」とあり、一見受けの三咲ばかりがシンドイ立場にありそうですが、両方の気持ちがわかって辛かったです。天才と呼ばれる人も全てを持っている訳ではなく、何かに秀でていれば必ず何かが欠落している。創作系では特に感受性の強さやその個性から生き辛さを感じている人は多いです。まさに学生時代までの要がそうですね(社会人になってからは随分マシになってる、偉いぞ要!)。そして誰もが天才と凡人のどちらかではなく、全てはグラデーション上にあるもの。更にそのグラデーションは一方向ではなく、また風呂敷一枚の面でもなく、多面的に存在している。それを包括したものがその人となりで、目立つ部分を個性と呼ぶんだと思います。
好きなこと、やりたいこと、得意なこと、出来ること、求められていることは違っていて、それにいち早く気付き自分の座標を把握できる人が強いんだと思います。要は早くから自分の能力を見切って、モデリングだけに振り切った。そう言った意味では、要も努力の人であると言えます。でも普通は、若い時はそういう事には気付けないですよね。
三咲みたいに色んな経験や挫折をして限界を知り、時には逃避する。それでもやっぱり好きな事だから、何とか自分の居場所を探す。理想と現実(自分の能力の限界)を擦り合わせて、納得できる着地点を見つけることができれば、少し楽に生きることができるんだと思います。
BLだから再会した時点でくっついちゃいましたけど、リアルだとあの時点で元鞘は難しいかもって思いました。同職種でいる限りあの感情はついて回るだろうし。だからサラッとした描写ではありましたが、モデリングに拘っていた三咲がプランナーとして再出発し能力を開花した所まで見届けられてよかったです。
創作系の方は何かしら思う所があるとおも(文字数
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