はだける怪物
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はだける怪物

おげれつたなか

怪物の正体は...(こちらは特装版です)

2021年5月21日
おげれつ先生の御本7作目を読みました。こちらはシリーズ完結編、推奨読み順は【錆びた夜→恋愛ルビ→はだける怪物・上下(上巻は小冊子付き特装版あり)】です。皆さんのお陰で完走することができました。これにてゴールです、ありがとうございました!

上巻の感想は通常版の方のレビューに書きましたので、こちらでは特装版の小冊子と全体的な感想について書きたいと思います。

特装版小冊子ですが、話としては当時の林田と弓の関係性の変化、怪物誕生の瞬間までが描かれ、読むのはかなり辛いです。
でもこれを読んで、このシリーズで自分が感じたことの答え合わせが出来たようで、本当に買って良かったと思っています。
私は「錆びた夜」のレビューでかんのすけが最後まで謝らなかったことに言及し憤慨していましたが、小冊子を読んでその理由がわかりました。ニクい演出です。ああ崩れ落ちそう。
作者さまが過去にそっと置いておいた仕掛けに自分が引っかかっていたこと、ちゃんと気付けていた事がとても嬉しいし、ちゃんと伝わってるよ!と大きな声で叫びたい。
ああもう堪らない、一生ついていきます。。。
ついでに言うと、かんのすけのリバの事情なんかもわかって、ただの節操のない男じゃなかったのね!と見直したりもして。

ああ、また長くなってきた...

上巻の終盤からは弓が再登場して、久々のせいか、年齢による落ち着きのせいなのか、あまりに美しいので目が眩みました。笑顔が眩しすぎるぜ...
弓の今が本当に幸せそうだし、秀那が林田の過去に介入したことにより、弓も林田も救済される形になって、読後感はとても良いです。
そう、読後感とても良いのですが、でも乗り越えた過去を想い出して瞳を潤ませながらも穏やかに微笑む彼らの表情を見ていると、どうにも切なくてウルっとしてしまいます。
これはちょっと切ない過去を持つ大人は皆そうなのでは。
あの出来事があるから今がある訳だし、今を生きていて幸せだし、どうにもならないし、どうしたい訳でも、どうするつもりでもないんだけど!
その時の想いとか刹那の煌き的な?そういうのを思うと胸がギュッとなってしまいますね。

そんなお話を作れるおげれつたなか先生はすごい!と改めて思うのでした。
(ムリヤリ締めた感)
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