ダディダーリン
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ダディダーリン

菅辺吾郎

自分の好みとかどうでもよくなるお話でした

2021年5月30日
「ダーティーダーリン」のスピンオフ。「ダーティー~」巻末の4コマ漫画で、「ん?もしや?」って思ったんですけど、ああいう前フリいいですね。ワクワクしました。
そして、ワクワクからの、またまた心打たれる展開。
「ダーティ~」の正児の父・龍児(52歳)と駄菓子屋の息子で龍児の年上幼馴染・花雄さん(54歳)のお話。「ダーティ~」から読むと感慨もひとしおな気がします。
個人的好みを言うと、おじさん同士は特に好まないのですが、そんな自分の好みなんてどうでもよくなりました。
幼いころの正児を後ろから抱きしめるに至るあの場面、胸がキリキリしました。
それから20年の時を経て再会した2人のやり取りが、言葉の掛け合いが、いちいち響いてきます。月のくだりも、今風なのがかえって粋に感じました。
おじさん同士の恋、なんて可愛いんだって思ったんですけど、お祭りの階段下のシーンで、周囲のカップルと通りすがりの男の人の雰囲気がリアルで、いたたまれない気持ちにもなるのですが、今の社会を思い起こすと、そういう風に描いた作者さんに、何と言うか、信頼のような気持ちが芽生えました。
作者さんの他の作品も読みたいなって思います。
あ!巻末4コマ漫画の「話すべき事」がツボりました笑。
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