言ノ葉ノ花《コミック版》
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言ノ葉ノ花《コミック版》

三池ろむこ/砂原糖子

切ない系です、心の声が聞こえてしまう

2021年6月20日
小説のコミカライズ版です。クリスマスの朝を恋人と迎えた余村は、突然心の声が聞こえるようになってしまいます。プロポーズを考えていた余村にとって、聞こえてくる恋人の心の声はあまりにも打算的で愛のない言葉。信頼していた人達の本音が見えるようになってからは、逃げるように心を閉ざすようになっていきます。そして、再就職先の家電量販店で出会ったのが長谷部という同僚。長谷部から聞こえてくる心の声は、悪意のない、余村への好意的な言葉でした。人の本音と建前が透けて見えて、人間不振に陥っていた余村にとって、長谷部の正直で好意的な心の声は救いであったと思います。心の声が聞こえるって、この作品では良い部分より嫌な部分がクローズアップされて終始重苦しい雰囲気ですね。人の本心を知るのは怖いけど、余村には寄り添ってくれる存在が現れて良かったと思えます。一応、完結だけど続編の予定もあるみたいですね。この作品は、小説でも読んでみたいなあと思いました。
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