モノトーン・ブルー
」のレビュー

モノトーン・ブルー

ながべ

モノトーンの世界に煌めく青い尻尾

ネタバレ
2021年6月22日
このレビューはネタバレを含みます▼ 授業中は居眠りか毛繕い、テストは白紙といういつもマイペースなハチは、猫ゆえに青と黄色とモノトーンの世界に暮らしています。その獣だけの学校にトカゲのアオイが転入してきます。成績優秀で真面目なアオイは何故か尻尾を隠しているのですが、その尻尾が美しく鮮やかな青色であることをハチは偶然知ります。他人に興味の無いハチですが、アオイの尻尾のことを秘密にする代わりに、放課後そのキラキラした尻尾を見せてもらう約束をし、やがて一緒にお昼を食べるようにもなります。アオイのことがどんどん気になってくるハチですが、アオイは獣ではない弱い自分への自己否定で一杯なのでした。学校を舞台に、換毛と脱皮や恒温と変温、夜目の利く利かないなど哺乳類と爬虫類との対比が恋愛に絡めて巧みに描かれています。アオイが嫉妬したハチに噛まれるシーンがありますが、これはトカゲが猫の捕食対象であることを前提に、ハチのアオイを自分のものにしたいという衝動の強さと、最終的にはそれを受け入れるアオイの覚悟という最大の濡れ場かと思いました。真っ直ぐな男前のハチと、うるうるした大きな瞳の美人なアオイとのほんのり甘い人外BL、ぜひご一読下さい。
いいねしたユーザ5人
レビューをシェアしよう!