かわいいかくれんぼ
」のレビュー

かわいいかくれんぼ

雁須磨子

ひょわ~~もうだめだ~~

ネタバレ
2021年7月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 心臓痛くなってもうヤバい。本でも漫画でも映画でもすごく良いもの見るとしばらく他の物は取り入れたくないってなったりするかと思うんですが、それ。もうしばらくこのお話の中にいたい。雁先生の描く大人のなんともいえないちょっと難しい話も面白いですが、自分は雁先生の高校生の話がとっても好きです。「のはらのはらの」が今まで一番だったんですが、こちらも本当に良かった。先生視点のお話なので、のはらのはらのとはまたちょっと違った感じです。高校生の話が好きなのは、あの年頃だけの、傷つきやすいのに無防備な感情の動きを色々な作者様の個性全開で描いてもらえるのが好きなんですが、雁先生の描く高校生は本当にあーーーもう。先生が高校生の頃の自分にしてほしかったことを生徒たちにしてるんだと思うんですが、その描写が本当良い。分かる。セクシュアリティの話ではないんですが、自分も先生の気持ちに心当たりがあります。自分がしてほしかったことを、若い子にする。余計なお節介だって思われるならそれでいいから、どうか自分を責めませんようにって、こっちを悪者にしていいからって思って。それとか、先生がいつか自分の元を去っていくことを想定して付き合うのも。経験が少ない子供のうちは大人の方が魅力的に見えるし自分が付き合ってもらってるって思うと思うけど、本当は逆なんだよ…。だから我慢して縛らないでいた先生がすごく良い。本当にね、若い子に教えたいよ…。そんな年若い子と平気な顔で付き合うような大人なんか駄目なんだって。何も分かってない駄目な大人に合わせて自分を消費しないでって。それをちゃんと大人側が分かっててほしい。先生がそれをすごく分かってたから読んでてそれはそれで苦しかった。(まあやることはやってるんだけども!笑)でも本当に良かった。そしてそうはいっても、先生が、怖くなって我慢できなくて心臓バクバクする頃にはそうなって本当に良かったなって思いました。いくら同情したからって普通あんなに気にかけないと思うから、先生は最初から結構牛島くんのことは特別だったんだろうな。最後の最後の家村くんの言葉でもしや??って思いました。そっちだったか…。雁先生の、指示語が示すものがハッキリしない言い様とか、言語化はしない言葉があるセリフがとても好きです。はっきり教えてもらえたらスッキリするんだけど、そうじゃないところが何度も読みたくなるんだと思います。
いいねしたユーザ9人
レビューをシェアしよう!