ダズリン スマイリードッグ
」のレビュー

ダズリン スマイリードッグ

酒渼ゆづ子

予想を全て覆されて泣けました

ネタバレ
2021年7月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ レーベルクーポンにて、初読みの作者さん。表紙の笑顔に惹かれました。
28歳会社員の宗一と26歳居候の楽のお話。
(私は、レビューに目を通さずに読んだので、予想を覆される一つ一つの展開が新鮮でした。まっさらで読みたい方は、レビュー読まずにどうぞです!)
冒頭に、宗一が父に殴られた回想があるのですが、てっきりゲイであることをカムアウトして…かなと思っていました。
楽がフォークやスプーンを持つ手から、あぁ、もしかしたらちゃんとご飯が食べられないような家庭で育ったのかな…と考えました。
でも、私の予想は、かすってもいませんでした。その予想とは違った2人の家庭のこと、子どもの頃のこと、それぞれに胸が詰まって泣けてしまいました。
特に楽とお母さんのエピソードと、今の楽が抱える気持ち(+そこに付随する特性)は、切ないよりももっと胸がやるせなくなります。でも、お母さんの愛があったから、楽はちゃんと「愛すること」を知ってるんだなって思いました。逆に愛を知らなかった宗一は、初めての感情に戸惑って、苛立って…でも、楽がいないと自分はダメなんだって気付いて動けたこと、本当に良かったです。楽のおばあちゃんとおじいちゃんも素敵だったな。こういうのほんと泣けてしまう。
表紙の通り、ワンコみたいなおっきな口で笑う楽が本当に可愛いかったです!ミイ子も可愛かった!とてもよいお話でした。
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