凪子の話
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凪子の話

後藤

…涙で視界不良…先に読み進めません

ネタバレ
2021年7月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ もちろん読了はしましたが。泣き過ぎて画面が見えなくて読み進めるの大変でした…。
23年来の両片想いと10年来の片想いの話です。
心から優しく思いやりがあって健気な3人が同時に3人の誰かに恋をすると、こうなってしまう場合もあるのかな。3人全員が自分の恋を何年も諦め続けて…誰ひとりとして報われない3人の“友人関係”。3人全員の視点で描かれているから、それぞれの心情が見えて、その上、それぞれの気持ちや考えに共感できてしまって、それぞれの思いを尊重したいと思ってしまう。
3人成長して社会人になって、それまで何年も不変だった彼らの関係性がいよいよ分岐点に立たさせる時、多分彼らは初めてそれぞれのわがままや願いを吐けたんだと思う。
凪子は自分の命がもう長くないと知り、浩平への深い罪悪感を持ちながらも、10年以上片想いをしているカズに想いを告げて、最後のわがままを聞いてもらって。
凪子が逝って2年後にカズが受け取った凪子からの手紙。カズはその手紙を読んで、凪子がカズと浩平が実は両想いだという事を知った上でカズと結婚したんだという事を知って、凪子の願い通りカズは浩平に23年来の想いを告げに行って。きっと浩平に正直な想いを告げる事と、そうしてほしいという凪子の最後の願いを聞く事が、カズのわがままなんだったと思います。
そして、カズに想いを告げられた浩平が時間を掛けて悩んだ結果出した「親友のままでいたい」という返事。浩平にとってカズはずっと片想いしている相手であり、同時に一番大事な存在であるからこそ、一生失わないようにする為にカズの告白を無かった事にしたかったんだろうなあ。それがある意味浩平のわがままだったのかもしれない。
それでも最後に、その浩平の願いが叶わなくて良かった。カズが、もう元には戻れないよって振り切ってくれて良かった。
終始、読んでいてそれぞれの思いに胸が締め付けられて辛かったですが、素晴らしい作品でした。実写ドラマ化も決定したらしいですね。うん、絶対面白いと思います。
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