残像スローモーション
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残像スローモーション

じゃのめ

シリーズ2作目!サブカル野郎たちの青春☆

2021年7月27日
映画部シリーズ2作目です!

読み順は「黄昏アウトフォーカス」「残像スローモーション」「黄昏アウトフォーカスoverlap」「宵宵モノローグ」⬅︎フォローさん達のレビュー参考です、ありがとうございます!

シリーズ1作目「黄昏〜」ではスタイリッシュなカメラ越しの演出が光っていましたが、2作目のこちらはややコメディ色が強め。冒頭はスターウォーズのようなエンドロールから始まり、各話の初めには「前回までの俺は!」的な演出があったりして、なんとも楽しい仕様になっております。

映画部部長の菊池原仁は3年の撮影チームを束ね、監督・脚本・主演までこなす学園のスター。垂れ目に泣きぼくろが色っぽい華やかなイケメンで人望も厚い。
制服のズボンをサスペンダーで吊り、ブレザーを肩に羽織り仲間を引き連れて歩く様はバンカラな雰囲気も持ち合わせており、とても魅力的なキャラクターです。

そんな菊池原の相手となるのが2年の監督・市川義一。
前作では映画オタクで理屈っぽいひっつめ髪の眼鏡野郎(ひどい!)といったイメージだったので、正直驚きました。

しかし蓋をあけてみれば全くの杞憂でした。寮で同室になるところから二人の距離感が動いていくのですが、なんせ、寮の部屋にいる市川は、ワンレンボブの美人なのです。おお〜。着替えシーンが色っぽい。

市川の撮る映画は繊細で監督のこだわりが強く、菊池原組の大衆的な作風は認められません。
市川が映画バカなばっかりに要らぬ攻撃を受けまくる菊池原ですが、寮の部屋ではBLを仲良く二人で読み耽り、かわいい二人のやりとりが見られます。
段々とお互いの理解も深まり、市川も菊池原の脚本の才能やエンターテイメント性を認めるところとなってホッとしました。
市川が菊池原の想いに応えるところは、ちょっといきなりすぎる気もしましたが、まあ、BLに造詣が深い市川のことですから、さほど抵抗もなかったのかと思うことにします。

描き下ろしでは、菊池原がシャツのはだけた市川に膝枕されているのが可愛くてニマニマしました。いい具合に腑抜けた様子がとても好きでした。

「スロースロースロー」のモノローグも良かったです。
前作でも感じたことですが、最初の方に出てくる印象的なモノローグを、終盤のここぞというところで天丼(反復)してくるんですよね。そういう演出にグッときます。
3作目のoverlapも読み直すのが楽しみです!
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