このレビューはネタバレを含みます▼
美貌の青年•如月晴生はプロポーズするつもりでプレゼントした高価なネックレスを女性に投げ返され、別れを告げられます。そばにいた青年がネックレスを拾い如月に渡しますが、如月は受け取らずにその場を去ります。養父の後を継いで美術商を営む如月のギャラリーにネックレスを届けに来た先程の青年は、若手彫塑家の与謝野虎一でした。
与謝野の邪気の無い作品に惹かれた如月は、与謝野の作品の買取とマネージメントを申し出ますが、あっさりと断られます。他人との接触と性的な眼差しを拒否する如月ですが、成り行きで与謝野のモデルとなり、やりとりを重ねてゆくのでした。
夜を嫌い、夜を恐れる如月が、健やかで昼の光のような与謝野と惹かれあい、お互いに反発しながら、そこから心と身体の距離を詰めてゆく過程が描かれます。ストーリーの骨組みも脇キャラもしっかりしている大人なラブストーリー、上野界隈の描写が多く、アートな気分を満喫できます。