となりに
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となりに

basso

となりにあなたがいる幸せ

ネタバレ
2021年8月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初読み作家様です。シンプルなのに、何故か目を引く表紙が気になって、タイトルのまま二人並ぶ表紙絵に誘われました。読んで良かったと思える素敵な作品で、恋がしたくなるような気持ちにさせてくれました。

淡々と流れる日常の中で、ふと新幹線のホームでとなりに並んだ事から始まる恋。
中坊のような、とありますが、幾つになっても恋する感情は変わらぬものなのかなと。ちょっとしたきっかけでその人が気になって仕方なくて、会えるかな、会えたらいいなってドキドキ、ワクワクしたり、会えると嬉しくて会えるだけで幸せな気分で、会えたら話がしたくなって、話せたらもっと相手を知りたくて、知ってほしくて…頭の中がその人でいっぱいになる。くぅ~、いいですねぇ、恋って。
亨くんの感情を『恋』『好き』と気づかせてくれた誠さん。大人だから口に出せない何かを感じ取って、聞いてあげる亨くんが優しくて、温かい。自分の事をずっと見ていてくれていた亨くんが、自分のために泣いてくれるなんて、誠さんの涙に心が響きます。辛くあたる社長でさえ、誠さんの変化を見ていた事には驚きですが、誰かが自分の気づかないところで見ていてくれた事は、これからの力や、支えになるなと思います。自分の事のように泣ける亨くんも、ホントに素敵な人ですねぇ。
ため息とともに埋もれそうな自分でも、見つけ出してくれた亨くんだから心が傾いてしまうのも、とても自然です。「終電、終わったね」はドキドキ最高潮でした。
後日談もすごく良くて、同じパジャマで並んでまったりしてる二人が素敵でした。
これは、何度でも読み返しそうです。

あっ、亨くんの友達も、その先輩CPもとても心強い味方で勇気づけられたんじゃないかな。いい縁に恵まれて、前を向いて歩ける気がします。
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