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九州男児

乱歩と準一の、なまめかしいBL的関係

2021年8月13日
フォローしている方々が夢野久作作品をレビューされた時、彼と互いの作品を論じ合う仲であった江戸川乱歩の長編小説をちょうど読んでいるところだったので、すごく嬉しくなり、本を持ち寄り回し読みしていた女子校時代のノリで「やっぱり好きなんだー!」とひとり快哉を叫んでしまいました。
怪人二十面相に明智小五郎、少年探偵団などの“探偵小説” (ここではあえて“推理小説”と云わず) に胸ときめかせ心踊らせた小学校時代を経て、中学では作者についてある重要な認識を得ることになりました。
それは、江戸川乱歩は「男色の研究家」であったということ。あぁ道理で!怪人や明智、小林少年の間に何か胸をドキドキさせる只ならぬ気配を感じていたのは自分の錯覚じゃなかった!と深く納得したものでした(この辺の史実、学校では教えてくれないことでした。今はどうなんだろう)。
ところで彼には共同研究者がいて、それが美人画で知られる竹久夢二の愛弟子にして大層な美形としても有名な岩田準一です。
この作品は、そんな江戸川乱歩と岩田準一とが時代の中で互いをどんな風に愛したのかを、九州男児先生がBL的に「こうだったかも」との妄想解釈で描いたものです。
全3巻トータル約90ページで、1・2巻は読み放題あり(各巻150pt)。
あぁ2人の楽しいオタ活ぶりと、奥ゆかしく上品で、ちょっと切ない愛の行方を覗いてみて欲しい…。
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