夏とセックスとぼくらの未来
」のレビュー

夏とセックスとぼくらの未来

糸井のぞ

読めば読む程、考えれば考える程凄い作品!

ネタバレ
2021年8月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 読み始めて、あれ〜これめっちゃデジャヴゥ…内容知ってるぞおと思い、大分前に期間限定で読み放題なってたかなあと考えていたんですが、フォローしてる方もそう書かれていて、やっぱりそうですよね!
以前この作品を読んだ時にどう感じたかはさっぱり忘れましたが、再読して、素晴らしい作品だなと思いました。よく考えると(よく考えなくても)、この作品って結末を一番最初のページで明かしてしまってるんですよね。でも、「未来が視える主人公」という設定を利用して、読む側に結末を見せているという意識・感覚を全く起こさせないという(ここがこの作品のミソだと思うんです)。ので、あの何とももどかしく歯痒い終わり方はある意味合点がいくというか。あの終わり方の先にこの物語の最初の場面があって、予知していた未来が今と繋がる…的な。だからある種、あの最初の場面がこの物語の最終ページに当たるのかな〜なんて考えました。
ちょっと考えれば当たり前の解釈なんですが、それをわざわざ読む側に意識させない自然な、でも秀逸な糸井先生の表現技法にとても感心しました。*あくまで僕なりの感じ方なんですが。
でもやっぱり、あの先の2人の関係は読者としては気になりますよね。2人の雰囲気が凄く温かそうで好きなので、尚更読んでみたいなと思いました。先輩がもう「ナオ」って呼んでるんだあと思うとキュンとしました。
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