嘘つき達の長い夜【単行本版(電子限定描き下ろし付)】
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嘘つき達の長い夜【単行本版(電子限定描き下ろし付)】

暮田マキネ

そこに愛はあったと思うよ

ネタバレ
2021年8月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 積読リストから。僕の可愛い酔っぱらい→嘘つき達の長い夜 のシリーズで、ぜひ「〜酔っぱらい」から読んでください。作者さんが月イチでpixivスケッチで配信されていて、今週末の課題図書がちょうどこのシリーズだそう。物欲はなくなってしまってグッズには興味持てないんですが(それより書籍購入に全振りしてるし)、こういう配信系のファンサービスはものすごく嬉しいです。あと後書きでの作品の話ごとの解説も嬉しいですよね。ものすごく設定が細かい作者さんなので、解説で明かされる作品中からこぼれ落ちたエピソードの存在がとても気になる。(それを配信で昇華させてるのですよね、きっと)
さて、この作品は前作とはかなりテイスト違って、マキネ先生お得意の闇と棘がありました。居酒屋バイト大学生のヒナと体格差ありの年上副店長のちぃが前作でめでたく結ばれた1週間後からお話が始まります。幸せを噛みしめるヒナは、眠っている時にちぃがもらしたある言葉が気になって。。
そしてちぃの元カレが現れて、ちぃとちぃを巡る過去の辛い人間関係が明らかになっていきます。前作で純朴に見えたちぃがエロい事が上手だった理由の伏線回収でもあります。登場人物それぞれの立場で考えると、彼らの行動は理解できるし、結果的に酷い事はしたけど歪んでいても共に過ごした時にはそこに愛はあったのだと私は思う。長続きはせずいつかは破綻したのだろうけど。過去の傷に苦しんでいたちぃがヒナと巡り合えて温かく包まれて良かった。救済話はまだ描かれてないですよね?いつか彼も優しさを知って救われてほしいな。。
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