寄宿舎の黒猫は夜をしらない
」のレビュー

寄宿舎の黒猫は夜をしらない

鯛野ニッケ

感動する事、保証いたします。

ネタバレ
2021年8月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者様買いです。瞬きするのを忘れるくらいに、一気に上下巻読みました。なんという世界観!なんという名作なんでしょう!興奮冷めやらず、ってくらい胸がバクバクしてます。
今までの『吸血鬼』のイメージを完全に覆しそうな、目新しい『吸血人類』の設定や世界観を作りあげたニッケ先生に脱帽です。人間との共存を図る中、その衝動に抗いながら生き抜く術を模索していく生きづらさも哀しいし、人間に対する愛する感情を持ちながら吸血行動がもたらす結果も、哀しみを帯びています。切なくて美しい愛が深い物語です。
『星の鱗粉』というニッケ先生独自の設定がポイントです。こういうアイデアを生み出す創作力がすごいですよね。ホントに感服しきりです。
そして、愛するという事で、相手を苦しめてしまうなら、愛してはいけないと思ってしまうのも、また辛い事。でも、湧き上がる気持ちって、どうしようもないし、愛さずにはいられないと思うのです。
愛する人を噛みながら、流す涙のなんともいい表せない哀しみと、愛する人を抱きながら流す涙の幸福感がたまりません。ホントに、ニッケ先生の心情の描写が胸を打つんです。ぎゅうっと締め付けられて、涙、涙です。
この作品にジーン&ユキ、パベル&アウラ、2組のCPが登場し、それぞれの愛の形に感動する事間違いなしです。中でも、パベル&アウラの恋模様は堪らなく切なくて、心を揺さぶられてしまいました。
ウェクスラー先生の過去も哀しくて、辛かった。
みんな、みんな幸せであれ、と願わずにはいられませんでした。
書き下ろしで、それぞれが幸せそうで、温かい気持ちになれました。良かったぁ。

めちゃくちゃ良かったです!これは読み応えたっぷりで、読む価値ありの名作ですよ♪ハートがチキンなもんで、期待させ過ぎて違っていたらすみません(泣)
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